第2 【事業の状況】

1. 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、民間設備投資につきましては、製造業・非製造業ともに増加基調にあり堅調に推移いたしました。しかしながら、個人消費につきましては、失業率は依然高い水準にあり、個人所得も横ばいであったため、本格的な回復には至っておりません。このような中、国内景気は緩やかなデフレにあり、先行きに対する不透明感がある状況であります。

海外におきましては、欧州経済は堅調に推移しているものの、アジア経済は景気拡大のテンポに鈍化が見られ、また米国経済の減速が顕著になり、その影響が懸念される状況であります。

このような状況におきまして、当連結会計年度の総売上高は、5,593億7千万円と前連結会計年度に比べ89億2千万円(△1.6%)の減収となりました。

国内販売は、3,925億5千万円と前連結会計年度に比べ116億円(△2.9%)の減収、海外販売は、1,668億1千万円と前連結会計年度に比べ26億8千万円(+1.6%)の増収となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。

@ 化成品

提出会社の化成品事業につきましては、国内化学品市場が伸び悩む中、顔料・塗料・記録材料関連は堅調に推移いたしました。しかしながら、医薬関連の不振、一部事業の分離、移管の影響もあり、全体的に前連結会計年度を下回る結果となりました。

帝国化学産業(株)、ナガセヨーロッパリミテッド、ナガセアメリカコーポレーションは医薬関連商品の一部商権の消失により前連結会計年度を下回る結果に終わりました。ナガセ生化学工業(株)はカタラーゼを中心とした酵素販売が順調に推移いたしました。ナガセ化成工業(株)の化成品関連は輸出が不調のため前連結会計年度を下回る結果に終わりました。

この結果、売上高は2,378億7千万円と前連結会計年度に比べ121億円(△4.8%)の減収となりました。営業利益は30億8千万円と前連結会計年度に比べ10億5千万円(△25.6%)の減益となりました。

A 合成樹脂

提出会社の合成樹脂事業につきましては、国内は原料販売の大きな成長が見込めない中、製品や環境関連素材の販売に注力いたしました。海外は顧客の海外への生産移転やパソコン需要の拡大を背景に、東アジアを中心に情報機器関連向け工業用合成樹脂の販売が大きく伸長いたしました。

東拓工業(株)は、脱PVCホースや掃除機用排気循環ホース等、新製品の拡販により、売上が伸長いたしました。寿化成工業(株)は一部販売の不振により、セツナン化成(株)は不採算事業の見直しにより、それぞれ売上高は減少いたしました。ナガセシンガポールリミテッド、ナガセホンコンリミテッド、ナガセタイランドカンパニーリミテッド等のアジアの海外現地法人は、日本からの生産移転やOA機器の増産等により、大幅に工業用合成樹脂の売上が伸長いたしました。ナガセアメリカコーポレーションは、自動車分野向け合成樹脂・機械設備の販売が伸長いたしましたが、ナガセヨーロッパリミテッドは、金型ビジネス、部品ビジネスともに前連結会計年度を下回る結果となりました。

この結果、売上高は2,054億6千万円と前連結会計年度に比べ127億4千万円(+6.6%)の増収となりました。営業利益は29億8千万円と前連結会計年度に比べ11億8千万円(+66.1%)の増益となりました。

B 電子

提出会社の電子事業につきましては、LCD製造用ケミカル供給システム、半導体製造装置用樹脂、封止材関連および通信用ICチップ関連等が伸長いたしました。しかしながら、ハードディスク基板関連が記録密度技術の革新によるメディア使用量の減少の影響を受け、またLCDが販売単価の下落により、ともに売上が大幅に減少したため全体的に前年を下回る結果となりました。

ナガセケムテックス(株)は、電子部品市場の拡大により好調に推移いたしました。ナガセ電子機器サービス(株)ではLCD、半導体業界向け真空ポンプおよび薬液供給システムが好調に推移し、売上が伸長いたしました。ナガセタイワンカンパニーリミテッド、ナガセホンコンリミテッドではLCDおよび周辺部品の増産により、LCD製造用ケミカルおよび中国でのデバイス生産ビジネスが好調に推移いたしました。ナガセカリフォルニアコーポレーションではハードディスク関連部材の材料販売が大幅に減少し前連結会計年度を下回る結果に終わりました。

この結果、売上高は1,033億8千万円と前連結会計年度に比べ63億8千万円(△5.8%)の減収となりました。営業利益は15億5千万円と前連結会計年度に比べ2億3千万円(△13.0%)の減益となりました。


C ヘルスケァ・他

提出会社のヘルスケァ事業につきましては、訪問販売の化粧品・健康食品関連は前連結会計年度並みに推移いたしましたが、医療関連において、一部業務移管に伴う大幅な売上の減少が生じたため、全体的に前連結会計年度を大きく下回りました。

新規ビジネスとして、訪問販売によって蓄積されたノウハウをベースに、新たに通販・店販・ネット販売により生活習慣病予防用健康食品等を本格的に展開するために、平成12年10月に(株)ハーバルケアを設立し、活動を開始しました。医療分野においては、(株)日本メディカルバンクシステムへの投資を実施し、今後、電子カルテ事業に注力してまいります。

この結果、売上高は126億5千万円と前連結会計年度に比べ31億7千万円(△20.1%)の減収となりました。営業利益は1億3千万円と前連結会計年度に比べ2億9千万円(△69.4%)の減益となりました。

 

所在地別セグメントの業績は、次のとおりであります。

@ 日本

合成樹脂および化粧品・健康食品販売は堅調に推移いたしました。しかしながら、日本国内の景気低迷を受けた他、化成品の商権移管・消失の影響を受け、売上高4,665億3千万円と前連結会計年度に比べ137億円(△2.9%)の減収となりました。営業利益は41億円と前連結会計年度に比べ11億1千万円(△21.4%)の減益となりました。

A アジア

日本からのOA機器の生産移管やIT関連部品の好況、台湾LCDの海外生産の本格的立ち上がり等の要因があり、売上高は749億4千万円と前連結会計年度に比べ136億4千万円(+22.3%)の増収となりました。また、営業利益は34億7千万円と前連結会計年度に比べ8億1千万円(+30.6%)の増益となりました。

B 北米

米国経済は堅調でしたが、医薬品の商権消失やハードディスク関連材料の不振などの影響を受け、売上高は106億3千万円と前連結会計年度に比べ74億5千万円(△41.2%)の減収となりました。営業利益は7千万円と前連結会計年度に比べ3千万円(△31.9%)の減益となりました。

C その他の地域

売上高は72億5千万円と前連結会計年度に比べ14億円(△16.2%)の減収となりました。営業利益は9千万円の赤字となり、前連結会計年度に比べ7千万円の赤字が拡大いたしました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業キャッシュ・フローの増加、連結子会社の合併に伴う増加があったものの、投資有価証券の取得、借入金の返済を積極的に行ったため、前連結会計年度末に比べ25億5千万円減少し、当連結会計年度末には184億6千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、81億6千万円(前連結会計年度比+126.0%)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上93億5千万円に加え、期末休日要因にかかる仕入債務の増加71億1千万円等による資金の増加があったものの、棚卸資産の増加57億8千万円及び法人税等の支払額36億3千万円等により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、41億6千万円(前連結会計年度比+59.6%)となりました。これは主に投資有価証券の売却(関係会社株式の売却を含む)による収入が63億3千万円となりましたが、投資有価証券の取得(関係会社株式の取得を含む)による支出が80億8千万円となったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、83億円となりました。これは借入金の純減額が59億1千万円であったこと、利益消却のための自己株式の取得を12億5千万円行ったこと、および配当を11億3千万円行ったことによるものであります。


2. 【仕入、成約及び売上の状況】

(1) 仕入の状況

仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しております。

 

(2) 成約の状況

成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しております。

 

(3) 売上の状況

1. 業績等の概要」及び「第5経理の状況 1. 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報)」を参照願います。

 



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