第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な好況を背景とした輸出の拡大と堅調な内需に支えられたものの、後半に一部で減速の動きが見られたため、全般的には景気の回復は穏やかに推移しました。素材市況は原油価格の高騰により上昇しましたが、液晶関連部材は供給過剰の懸念により価格が下落し調整局面となりました。

このような状況のもと、業績拡大に努めました結果、売上高は、国内販売、海外販売ともに増収となり、5,756億3千万円と前連結会計年度に比べ、423億3千万円(+7.9%)の増収となりました。

利益面につきましては、売上高の増加等により営業利益は132億5千万円と前連結会計年度に比べ30億1千万円(+29.4%)増益となり、経常利益は、持分法投資利益の減少等があったものの、151億5千万円と前連結会計年度に比べ20億4千万円(+15.6%)増益となりました。当期純利益は、固定資産及び投資有価証券の売却益の計上により、103億8千万円と前連結会計年度に比べ33億7千万円(+48.1%)増益となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

@ 化成品

化成品事業につきましては、最終用途がコンピューター周辺機器に関連した分野と自動車業界に関連した分野での売上が増加したほか、素材市況の上昇による影響などにより汎用化学品の分野も増加したため、好調に推移しました。

「色」に関連したビジネスを行う色材関連は、成長産業として注力してきたプリンター及び複写機用のインク原料、トナー原料や、液晶に使われるカラーフィルター用の原料を含む顔料全般が好調に推移しました。プラズマディスプレイやDVDに使われる化学品も売上が増加し、感熱・感圧紙の原料であるカラーフォーマーやその他の製紙用薬品及び染料関連は横ばいでしたが、全体として売上が増加しました。

自動車のシートなどを始めとするクッション材に使われるウレタン原料は、重点分野のひとつとして中国に合弁企業の設立などを行ってきた成果が現れ、海外での販売を中心に売上が増加しました。また塗料原料や合成樹脂を難燃化するための添加剤なども、注力してきた海外販売を中心に増加しました。さらに素材市況上昇の影響を受けた汎用化学品の売上増加も寄与したため、全体として大きく売上が拡大しました。

洗剤などを含む家庭用トイレタリー商品の原料となる界面活性剤や工業用油剤など特殊化学品の原料等を取扱うスペシャリティケミカル関連は、製造機能を担うグループ企業の中核的存在であるナガセケムテックス鰍フ製品を中心として堅調に推移しました。

医薬、農薬の原料・中間体や酵素などを取扱うファインケミカル関連は、収益率改善のために事業の見直しを行った影響もあり農薬関連で売上が減少しましたが、上半期に不調であった医薬関連が下半期に回復して前連結会計年度並みとなり、飲料用の酵素や香料原料の海外販売が伸長したため、全体としては、ほぼ横ばいとなりました。

この結果、売上高は2,517億2千万円と前連結会計年度に比べ、203億6千万円(+8.8%)の増収となりました。営業利益は53億6千万円と前連結会計年度に比べ11億4千万円(+27.2%)の増益となりました。

 

A 合成樹脂

合成樹脂事業につきましては、海外での販売拡大が継続し、素材市況の上昇による影響もあったため、売上が増加しました。

機能性樹脂(エンジニアリングプラスチックス)及び汎用樹脂のアジアを中心とする海外販売は、海外事業の中核として注力している、いわゆるグレーターチャイナ圏を中心に好調が持続し、大きく売上が増加しました。

自動車業界向けの樹脂原料・部品及び樹脂成形設備などの関連では、国内及び拠点の拡充を図ってきた中国などアジア圏のみならず、北米及び欧州向けの売上拡大も寄与し、大きく伸長しましたが、北米における金型製造会社であるカナダモールドテクノロジーインコーポレーテッドは当連結会計年度は売上が減少しました。

コンピューター周辺機器の外装材などに使用される樹脂原料の販売は国内でも売上が増加し、建材・住宅関連設備用途での原料及び製品ビジネスは、木質複合素材を用いた自社製品の売上も寄与したため、販売が拡大しました。

国内での包装資材業界や家電業界向けの樹脂原料の販売は、素材市況の上昇がありましたが、本格的な売上増加には至りませんでした。一方で合成樹脂着色・コンパウンドのセツナン化成鰍ヘ売上が増加し、掃除機・洗濯機にも使用される家電用や工業用など各種フレキシブルホース・パイプ製造の東拓工業梶A食品包装用トレー製造の寿化成工業鰍煬調に推移しました。

この結果、売上高は1,884億5千万円と前連結会計年度に比べ、174億6千万円(+10.2%)の増収となりました。営業利益は42億8千万円と前連結会計年度に比べ12億6千万円(+41.6%)の増益となりました。

 

B 電子

電子事業につきましては、液晶・半導体業界向けの薬液、装置関連、精密研磨剤などが好調に推移しましたが、液晶業界での価格下落の影響や、通信機器関連の減少により、全体としては微増にとどまりました。

ナガセケムテックス叶サの変性エポキシ樹脂を中心とするビジネスは、国内では微増にとどまりましたが、中国における重電業界向け新規ビジネスの獲得も寄与し、全体としては売上が増加しました。

液晶及び半導体製造の前工程で使用されるフォトリソグラフィ用の薬液及びその供給・管理装置のビジネスは、グループ内での製造品を中心に台湾など海外向けの装置販売が大きく拡大し売上が増加しました。

半導体後工程関連は、注力しているナガセケムテックス叶サの液状封止材等の高付加価値品を含めて、全体としてほぼ前連結会計年度並みの売上にとどまりました。

半導体関連のシリコンウエハー加工などに使われる精密研磨剤関連のビジネスは、国内向け、海外向けともに売上が増加し、大きく伸長しました。

液晶に使われる光学フィルム等のビジネスは、上半期は堅調に推移しましたが、下半期に液晶業界の減速にともなって海外向けを中心に減少し、全体としては横ばいとなりました。

液晶モジュール等の部品関連ビジネスは、価格下落の影響を受け、売上が減少しました。一方で、携帯用電子機器の外装材などに使用されるアルミ関連のビジネスと、液晶関連から派生した川下展開の一環として注力しているDVDプレーヤーや、さらには映画ソフトなどの最終消費財のビジネスは売上が拡大しましたが、部品関連での減少をカバーするまでには至りませんでした。

携帯電話やPHSの通信基地局で使用されるパワーアンプ等の部品関連は、中国等での需要一巡の後、次世代型に対応した製品を開発し、販売活動に努めておりますが、当連結会計年度は回復には至らず、前連結会計年度に比べ大きく減少しました。光学フィルム等の製造過程で使用される画像処理検査装置のビジネスは、未だ売上としては小規模ながら順調に拡大しました。

この結果、売上高は1,226億3千万円と前連結会計年度に比べ、36億5千万円(+3.1%)の増収となりました。営業利益は26億6千万円と前連結会計年度に比べ2億5千万円(+10.7%)の増益となりました。

C ヘルスケァ・他

ヘルスケァ・他事業は、化粧品・健康食品が増加しましたが、メディカルケァ及び放射線測定関連は、いずれもほぼ前連結会計年度並みに推移しました。

化粧品・健康食品関連は、従来からの訪問販売に関して、前連結会計年度より潟iガセビューティケァに販売機能を移管し、地域密着型の活動に注力した結果、増加しました。

医療機関向けの臨床検査用の試薬や医療情報・臨床検査システムなどを取扱うメディカルケァ関連及び放射線の安全管理に関連した放射線測定ビジネスは、いずれもほぼ前連結会計年度並みとなりました。

この結果、売上高は128億2千万円と前連結会計年度に比べ、8億5千万円(+7.2%)の増収となりました。営業利益は6億2千万円と前連結会計年度に比べ2億7千万円(+80.8%)の増益となりました。

 

所在地別セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

@ 日本

素材市況が改善した影響もあり、化成品事業及び合成樹脂事業が伸長したため、売上高は4,337億円と前連結会計年度に比べ88億5千万円(+2.1%)の増収となりました。営業利益は88億1千万円と前連結会計年度に比べ19億7千万円(+29.0%)の増益となりました。

 

A アジア

合成樹脂事業におけるグレーターチャイナ圏での販売が伸長し、化成品事業及び電子事業も堅調に推移したため、売上高は1,147億1千万円と前連結会計年度に比べ293億6千万円(+34.4%)の増収となりました。営業利益は43億8千万円と前連結会計年度に比べ16億7千万円(+61.8%)の増益となりました。

 

B 北米

合成樹脂事業における自動車関連の売上が伸長したため、売上高は173億5千万円と前連結会計年度に比べ34億7千万円(+25.1%)の増収となりましたが、金型関連の子会社が当連結会計年度は赤字を計上したため、営業損失は4千万円と前連結会計年度に比べ3億6千万円の減益となりました。

 

C その他の地域

化成品事業における欧州での色材関連が伸長したため、売上高は98億4千万円と前連結会計年度に比べ6億3千万円(+6.9%)の増収となりましたが、販管費の増加があり、営業利益は1億1千万円と前連結会計年度に比べ4千万円(△28.2%)の減益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースでの現金及び現金同等物は、172億1千万円と前連結会計年度と比べ38億1千万円(△18.2%)の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物の増加額は、前年同期比73.3%減の17億1千万円となりました。これは税金等調整前当期純利益を175億5千万円計上したものの、売上債権が138億1千万円、たな卸資産が70億2千万円増加したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による現金及び現金同等物の減少額は、前年同期比16.4%減の14億1千万円となりました。これは投資有価証券の売却による収入が36億7千万円、有形固定資産の売却による収入が23億7千万円になったものの、有形固定資産の取得による支出が65億3千万円、投資有価証券の取得による支出が17億円になったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による現金及び現金同等物の減少額は、前年同期比179.3%増の51億1千万円となりました。これは長期借入による収入が23億2千万円になったものの、社債の償還による支出が70億円になったこと等によるものです。

 

 

2 【販売の状況】

「1 業績等の概要」及び「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報)」を参照願います。

 

3 【対処すべき課題】

将来を見据えて今後とも下記の重点課題に取組み、さらなる企業体質の強化と中長期での収益拡大策を実行してまいります。

 

重点戦略分野の強化

2003年4月に、W:Wisdom(知恵)、I:Intelligence(情報)、T:Technology(技術)を駆使した「ビジネスの創造」を目指すことを掲げて策定した3ヵ年にわたる中期経営計画「WIT21」、及び長期的な収益拡大のために当社では重点分野として定めた各分野に対し、事業投資を含めた様々な施策をおこなっております。3ヵ年にわたる「WIT21」において2年が経過しました。数値目標に関しては当初の計画を上回る成績をあげておりますが、真に「ビジネスの創造」をしつづける会社となるために更なる努力を継続してまいります。

 

(エレクトロニクス分野)

当社のエレクトロニクス分野でのビジネスは、もともと電子部品そのものではなく、ケミカルを基盤にした半導体や液晶製造用の薬液、電子部品業界向けの精密研磨剤などを基礎として発展してきました。その過程で従来からの取引先との関係を強化し、液晶用光学フィルムや液晶モジュール等の分野に事業領域を拡大してきたほか、それらの加工プロセスを行うビジネスにも注力して、付加価値を高める努力をしております。更にはDVDプレーヤーなどのハードウェア、映画ソフト等の最終消費財の販売も行っております。

これらの川下展開をすすめる上では、需給バランスの急激な変化や価格変動の影響を最小限に抑えて持続的な成長を可能にする体制を強化する必要があります。最終消費財等の川下分野で得られた知見を、薬液・原材料など川上分野での展開に活用するとともに、商社的なビジネスと製造業的なビジネスの組合せ・バランスを最適な状態に保つことが重要になります。

またグループ最大の製造会社であるナガセケムテックス鰍フ製造機能のグローバル展開も行っており、半導体・液晶用薬液製造のナガセファインケムシンガポールリミテッドなどの海外製造拠点が、早期に連結収益に貢献できるよう努力してまいります。

 

(ライフサイエンス分野)

当社のライフサイエンス関連ビジネスは、医薬・農薬の中間体、原薬、原料ビジネスと、酵素関連の醗酵生産物を柱に、医療機関向けの試薬、検査システム、更には化粧品及び健康食品の最終消費財販売まで多岐に亘っております。また重点分野の中で最も製造業的な傾向の強い分野でもあります。

現在製薬業界では、一つの新薬が生まれるまでにかかる開発費は巨額化しており、新薬の数は減少しております。製薬各社は新薬開発に必要な資金力を確保するために、世界的な合従連衡による規模の拡大競争が繰り広げられております。また高齢化社会の進展と共に生活習慣病が増加し、高齢者医療費、介護費の負担増が予測されているなかで、人々の健康に対する意識が高まり、健康維持、生活習慣病の予防、好ましい医療サービスの提供がますます求められています。

このような環境下で、当社は独自技術を用いた付加価値の高い製品にこだわり続けてまいります。各種非天然アミノ酸製造技術、ローズマリーエキスの化粧品への応用技術、健康志向の高まりの中での醗酵生産物と健康食品などを市場に提案することにより技術に立脚した収益拡大を目指します。また今後大きな発展の見込まれる中国やインドとのビジネス拡大にも注力してまいります。

(自動車関連分野)

当社の自動車関連分野のビジネスは、自動車内装材の加工メーカーやヘッドランプなど外装部品をはじめ各種の自動車部品メーカーに対する合成樹脂原料と成形設備等の販売により培った優良な顧客群との関係をベースにして、部品のデザイン・設計と金型を融合したビジネス、顧客の海外拠点に対する原料及び部品の購買・物流代行等に事業領域を拡大してきております。海外における自動車生産台数は、今後更なる増加が見込まれます。従って当社も顧客である自動車メーカーのグローバルな生産体制からの要求に応えることのできる体制を構築すること、他社が真似できない独自の提案を行う存在となることを目指しております。

現在最も注力している中国市場においては、天津、上海、広州等の各現地法人における販売活動のみならず、既に設立している部品及び金型設計を行う長瀬塑料製品設計(天津)有限公司を本格稼動させ、また金型製造機能を充実させていくことも重要な課題となります。さらに今後、内陸部の武漢に広州長瀬貿易有限公司の駐在員事務所を開設し、ビジネスの可能性を検討してまいります。

従来から行っている、北米、ヨーロッパでの金型関連及び原料・製品のビジネスに関しても更に機能を強化いたします。また東南アジアにおいては、中心となるタイでのビジネス拡大以外にも、インドネシアで部品を組立て、ヨーロッパ等域外へ供給するビジネスを開始しており、今後も継続・拡大させてまいります。

 

(海外事業)

当社の海外事業は、中国に香港・台湾を加えたいわゆるグレーターチャイナ圏と東南アジアにおけるいわゆるアセアン圏に多くの拠点を持ち、日系企業のみならず現地資本の企業にも多くの優良取引先を擁している点が強みとなっています。それぞれの地区には、専任の地区担当執行役員が常駐しており、スピーディな意思決定を行う体制を敷いております。今後更に各事業部での海外に対する活動が拡大していく中で、地区内での協業を促し、総合力を発揮できる体制を更に強化してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 為替変動による影響について

当社グループの事業は外貨による輸出・輸入取引があり、これら外貨建ての取引については為替の変動により円換算後の価値に影響を与えます。これらの取引に対し為替予約によるヘッジを行い為替変動リスクを最小限に止める努力をしておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建ての財務諸表を作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。

 

(2) 海外活動に潜在するリスク

当社グループの販売及び生産は東南アジア諸国、欧米、中国を中心とした海外での活動の割合が高まっております。当社グループは現地動向を随時把握の上、適切に対応していく方針でありますが、現地の法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 株価変動による影響について

当社グループは取引先を中心に市場性のある株式を保有しており、これらは株価の変動によるリスクを負っています。それらのリスクに対し、不要な株式を整理する等リスクを軽減する施策を講じておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 新規の投資にかかるリスク

当社グループの事業展開としては、マージン率の低い仲介型ビジネスから、より付加価値の高いビジネスへの展開を図っております。そのため、R&Dセンター及び製造子会社を持つこと等により高い技術・情報の提供を武器に、新規ビジネスへの積極的な投資及び戦略的な商権の買い取り等の施策を講じております。しかし、それらの施策は従来の事業リスクの低い仲介ビジネスと異なり潜在リスクの高まりとなることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 製品の品質にかかるリスク

当社グループはより高い付加価値を顧客に提供するためにR&Dセンター及び製造子会社を有しております。それらの提供する技術・製品の品質には細心の注意を払っております。しかしながら当該製品の不具合等により、販売の停止及び回収の必要性等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 商品の輸出規制にかかるリスク

当社グループは化学品を主体として広範な用途で多種類の商品を輸出しております。これらは国際的な平和や安全を維持することを一つの目的とした「外国為替及び外国貿易法」や「輸出貿易管理令」などの法規制の適用を受けています。これに対し「安全保障貿易管理・化学品管理委員会」を設置し当該法規制の遵守活動に努めておりますが、これらの法規制に抵触した場合、事業活動に制約を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、グループの総合力を結集し、新たな製品の開発と技術情報を発信することを目的に研究開発活動を行っております。

現在、R&Dセンターにおいてはユーザーニーズに基づいた製品開発、応用研究を進めております。研究開発テーマは、キラル合成技術や酵素を用いた発酵技術の医薬中間体への応用研究や天然抽出物の化粧品、健康食品への展開等々その技術開発力は顧客から高い評価を得ております。また、顧客ニーズを的確に把握するマーケティングネットワークと当社のグループ企業に蓄積された有機合成・配合技術を利用し、樹脂添加剤やコーティング材などの開発・拡販を進めております。このような活動を通して数多くの特許出願も行い、収益の拡大を図っております。なお、当連結会計年度における研究開発費用の総額は、23億4千万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える貸倒債権、退職給付債務、法人税等などの見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて継続して評価・判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は、5,756億3千万円と前連結会計年度に比べ423億3千万円(+7.9%)の増収となりました。

国内販売は、安定的な化成品事業をベースに、素材市況の上昇により合成樹脂事業も好調であったことから3,637億円と前連結会計年度に比べ141億5千万円(+4.0%)の増収となりました。海外販売は、化成品事業において塗料関連が好調であったことに加え、合成樹脂事業における機能性樹脂関連及び自動車関連ビジネスが中国などアジア圏のみならず北米でも販売が伸長したため、2,119億2千万円と前連結会計年度に比べ281億8千万円(+15.3%)の増収となりました。

なお、事業の種類別、所在地別のセグメントの概況につきましては「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。

営業利益は、132億5千万円と前連結会計年度に比べ30億1千万円(+29.4%)の増益となりました。これは増収により売上総利益が増益となったことなどによるものであります。

経常利益は、151億5千万円と前連結会計年度に比べ20億4千万円(+15.6%)の増益となりました。営業外損益は19億円の収益計上となっており、これは関連ビジネスにおける取引先への投資等からの経常的な受取配当金の計上等によるもので前連結会計年度に引き続き、営業外費用を上回る営業外収益を計上しております。

税金等調整前当期純利益は、175億5千万円と前連結会計年度に比べ58億3千万円(+49.8%)の増益となりました。これは固定資産及び投資有価証券の売却益の計上等によるものであります。

これらの結果、当期純利益は、103億8千万円と前連結会計年度に比べ33億7千万円(+48.1%)の増益となりました。

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ244億9千万円増加し、3,352億9千万円となりました。流動資産は主に売上の増加に伴う売掛債権の増加により前連結会計年度末に比べ198億3千万円増加し、2,346億6千万円となりました。固定資産は、製造子会社での工場新設、株価の上昇による投資有価証券の増加等により前連結会計年度末に比べ46億6千万円増加し、1,006億2千万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ129億6千万円増加し、1,633億5千万円となりました。流動負債は社債の償還があったものの、仕入の増加に伴う買掛債務の増加により前連結会計年度末に比べ98億1千万増加し、1,412億4千万円となりました。固定負債は株価の上昇によりその他有価証券の含み益が増加したことによる繰延税金負債の増加等により前連結会計年度末に比べ31億4千万円増加し、221億円となりました。

資本合計は、前連結会計年度末に比べ108億8千万円増加し、1,670億9千万円となりました。これは当期純利益の計上による利益剰余金の増加に加え、株価の上昇によりその他有価証券の含み益の資本計上額が増加したことによるものです。

以上の結果、株主資本比率は0.5ポイント低下し、49.8%となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ38億1千万円(△18.2%)減少し、172億1千万円となりました。

売上の増加に伴う売掛債権の増加が138億1千万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が175億5千万円あったこと等により、営業活動で17億1千万円のキャッシュ・インとなりました。これを固定資産の取得、投資有価証券の売買、短期貸付などの投資活動に14億1千万円、社債の償還や配当の支払などの財務活動に51億1千万円使用しております。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループといたしましては、長年培ってきた優良な取引先との関係とグループ内での研究・開発・製造・販売機能を活かして、市場の求める優良なサービスと製品を、単なる仲介ではなく、自ら提案し、ビジネスを創造することによって顧客に提供することを目指しております。

それを実行する分野として、「3 対処すべき課題」でも述べております重点戦略分野の強化に努め、さらなる企業体質の強化と中長期での収益拡大策を実行してまいります。

特に「エレクトロニクス分野」は持続的な成長を可能にする体制の整備、「ライフサイエンス分野」は技術に立脚した収益の拡大、「自動車関連分野」は自動車メーカーのグローバル生産に応えることのできる体制の構築、「海外事業分野」ではグレーターチャイナ・アセアン圏などでの総合力の発揮を当面の課題であると考えております。

今後もこれらの課題解決に努め、真に「ビジネスの創造」をしつづける会社となるため努力を継続してまいります。



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