ナガセグループ CSR報告書 2011
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グローバル化の進展により、海外間取引や中国等の成長の著しい国々との輸出入ビジネスが伸長しています。従来の欧米大手ケミカルメーカーからの輸入ビジネスに比べ、新興国における海外サプライヤーとの取引においては、品質管理上の問題や国内と海外各国との法規制の差異に基づくトラブルを未然に防止する施策が必要となっています。このような背景から、海外サプライヤーへの品質管理に関する働きかけは商社である当社にとって非常に重要な活動と考えています。 また、中期経営計画「“CHANGE”11」において、グループ全体での研究・開発・製造機能の一層の強化、拡大を図ることを掲げており、JVを含めたグループ製造会社の拡充や当該企業における品質管理の継続的改善が重要と考えています。 このような背景のもと、2008年10月に策定した「ナガセグループ製品安全自主行動指針」に基づき、グループ全体での品質管理や製品の安全性確認に関するルールの策定や啓蒙活動を通じ、ナガセグループが扱う製品の安全性を確保していきます。 またメーカーポジションビジネスの増加に伴い、当社が品質保証責任を負うケースが増加していることに対応し、その支援を行うべく知財・技術室に「品質保証支援チーム」を2010年12月に設立いたしました。製品安全・品質管理 当社は、化学品や合成樹脂などを中心に多くの輸出を行う化学品専門商社として、安全保障貿易管理を適切に実施するため安全保障貿易管理委員会を設置し「安全保障貿易管理規程」を定め、これに基づいて運営しています。さらに、輸出管理専門担当部署としてコンプライアンス部内に安全保障貿易管理室を設置し、安全保障貿易管理委員会の事務局として活動しています。 また、月に一度、安全保障貿易管理委員会および輸出管理責任者会議を各々開催しています。安全保障貿易管理委員会では、輸出管理情勢および外為法等の改正動向や、グループ全体の輸出管理に関する内容を把握し、方針を決定しています。輸出管理責任者会議では、安全保障貿易管理委員会で決定した事項を各事業部やグループ会社に指導、周知徹底などを行い当社グループ全体における輸出管理に関する法令違反のリスクを未然に防止しています。安全保障貿易管理■ 具体的な管理の仕組み 当社では、輸出する全ての商品および技術について、「商品コンプライアンス総合管理システム(CP-PASシステム)」により、輸出商品、技術および海外顧客情報などが全てデータ化されています。さらに、外為法およびEAR(米国輸出管理規則)で規制され、輸出許可が必要なものか否かを営業部、輸出管理責任者で確認し、安全保障貿易管理室が承認した商品のみが輸出できるようシステム化されています。 また、法令遵守から一歩進んで、軍事用途や軍関連との取引は禁止するなど、安全保障輸出管理に関する当社グループ全体の方針を定め、当社グループを含めて安全保障輸出管理のリスクに巻き込まれないよう当社グループの方針を周知徹底しています。■ 人材育成への取り組み 年々複雑化する安全保障貿易管理の実務に対応するため、当社グループでは安全保障貿易情報センター(CISTEC)が実施する安全保障貿易管理認定試験(STC Associate)の受験を、輸出業務に携わる従業員を中心に推奨しています。2011年3月末現在、当社と関係会社を合わせた計16社、337名が合格しています。引き続き、輸出管理の高い知識とノウハウを持った人材育成に努めていきます。■ 安全保障貿易管理に対する意識向上を目指して 当社では、全従業員を対象にした社内輸出管理講習会や、人事総務部による新入社員導入研修、階層別人事研修などの機会を活用し、教育・啓蒙活動を実施しています。また、国内子会社・関連会社、海外現地法人を対象にした講習会も開催し、グループ全体で取り組んでいます。2010年度は講習会を計99回開催し、合計1,980名が参加しました。

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