他材料との比較(ニトロセルロースなど)
図9. ニトロセルロースまたはCABベースの木工用ラッカー(白)のUV安定性比較
セルロースエステル(CAB)は耐黄変に優れます。
実験①
木工用塗料にCABまたはニトロセルロース(NC)を添加したものの比較を行います。
UVライトを18時間照射したものを比較します。
耐黄変性の確認(紫外線による影響)
実験②
弊社ラボでセルロースエステル仕様(CAB処方)の塗板とニトロセルロース仕様(NC処方)の塗板の比較を行いました。
塗板:15㎝ x 7cmの鋼板の白色ベース塗料に各クリア塗料(CAB処方、NC処方)を塗布後、乾燥
試験方法:キセノンランプ試験機(1,062時間投入 2時間毎に18分の洗浄)
キセノンランプ試験結果(340時間/1062時間経過)
横にスクロールしてご覧ください。
L*a*b値 | 初期 | 340hr経過 | 1062hr経過 | ⊿E | |
---|---|---|---|---|---|
CAB処方 | L*(10°/D65) | 94.78 | 95.46 | 95.47 | 0.69 |
a*(10°/D65) | 0.28 | -1.19 | -1.23 | -1.51 | |
b*(10°/D65) | -0.39 | -0.01 | 0.13 | 0.52 | |
NC処方 | L*(10°/D65) | 95.47 | 92.31 | 測定不可 | 測定不可 |
a*(10°/D65) | -0.54 | -2.02 | 測定不可 | 測定不可 | |
b*(10°/D65) | -0.03 | -17.56 | 測定不可 | 測定不可 |
考察
CAB処方は紫外線による劣化は非常に軽微。
NC処方は340時間経過時点で明確な黄変が見られた。更に500時間経過時にクリア塗膜(NC処方)は残っていなかった。
明度(L*)は両方とも大きな変化はありませんが、色度(b*)はCAB処方の変化が小さく、影響が少ないことが分かります。