当社社長 長瀬洋による「2015年 年頭挨拶」を下記の通りご報告します。

あけましておめでとうございます。
新年をこうして皆さんと共に元気に迎えられることを、大変嬉しく思います。

昨年の世界はウクライナでの紛争、イスラム国と呼ばれる新たなテロリストの台頭など、相変わらずの暴力の応酬が続きました。経済面では新興の国々やヨーロッパの減速もみられ、不透明な環境が続いています。日本でも円安と株高で雰囲気だけは何となく明るいですが、実体の経済環境は改善しているとは言えません。世界も日本も、私は決して将来を楽観できる状況ではないと思っています。
ナガセグループでも、第2四半期の業績は期初の見通しを大幅に下回る前年並みに終わり、通期業績見通しの下方修正という不本意な状態に陥っています。

今期で終わる中期経営計画『Change-S2014』は大きく未達で終わることになります。そして次の中期経営計画についても、その策定を一年間延期することとしました。単に今までと同じように作ったのでは、これまでの繰り返しになるだけと考え、本当に我々があるべき長期の将来像を徹底的に考えることが必要との思いからです。

皆さんはそれぞれの現場で自分たちの思いを込めた将来像を議論し、考えてくれていると思います。私をはじめ経営陣も数か月間議論を尽くし、将来のビジョンをつくりました。これからお互いの将来像を突き合わせて議論をしたうえで、それをベースに中期経営計画をまとめていきます。
したがって、4月から始まる2015年度は、単年度のみの計画となりますが、しっかりと数字にこだわり、それぞれの分野で業容拡大を図ることは言うまでもありません。

もう一つ、昨年始めた取り組みに『グローバルブランディング』があります。

ナガセは従来、会社そのもののブランドやその価値というものを強く意識せず、また必要としてきませんでした。しかし、今後ナガセが新しい地域や分野にもビジネスを拡げ、グループ独自の商品も増えていくうえで、当社がどのように外部の人たちから見えるようにするのか、どのような機能、役割をアピールし、約束するのかを考えるべき時期にきています。また、ブランディングは拡がりと多様性を増すナガセグループの共通の「価値観」にもつながり、求心力を高めていくことにも役立つと期待しています。

このブランディングを考えるうえでも、やはり我々が『将来どんな存在でありたいのか』を考える必要があります。先ほどの中期経営計画の関連で述べた『将来像』とも合っていなければなりません。
ブランディングプロジェクトは、これまで多くの人たちに参加してもらって議論を重ねてきました。
そして、グループの「目指す姿」として、「ナガセグループの強みや特徴」、「事業を通じて関わるすべての人に届ける価値」、「事業を通じて、実現したい社会の姿」の3つを決めました。

今後、これらを表す短い文章である『ステートメント』、そしてさらにそれを短く表現する言葉として『スローガン』ができます。

この『ステートメント』や『スローガン』は、皆さんが「目指す姿」を議論してくれたことを凝縮したものです。したがって、今後皆さん一人ひとりがナガセグループの一員であることを自覚し、誇りを持って行動し、今述べた会社の『目指す姿』を説明することが大切です。
そのためにはこれらのことを社内、グループ内で十分話し合い、しっかりと理解したうえで確信をもって伝えられるようになることが必要です。まずはご家族や取引先の方たちに話をすることから始め、ぜひみんなの力でナガセグループを世界の人が知っているブランドにしていただきたいと思います。

1832年に創業したナガセは、17年後の2032年に創業200年を迎えます。
世界は激動を続けており、短期では気づかなくても10年、20年といった長いスパンで振り返るとその変化に驚かされます。これからの20年がどのように変わるかは分かりませんが、皆さんはしっかりとしたビジョンを持って、その実現に向けて確実に進んでいただきたいと思います。

最後に、今年一年が禍いのない年になるよう、そして皆さんとご家族が健康で幸せに過ごされるようお祈りして、私の新年の言葉といたします。
以上