Our Business Model

グループの様々な機能を駆使する「ビジネスデザイナー」

NAGASEグループは、化学品等を扱う専門商社でありながら、グループ内に研究施設や製造会社を持つユニークな企業グループです。化学を基盤として、顔料・着色剤、塗料・インキ、界面活性剤、OA、電機、家電、自動車、液晶、半導体、医薬・医療、化粧品、機能性食品素材など、様々な業界に対してグローバルな事業を展開しています。幅広い製品展開を持つことはNAGASEグループの特徴であり、川上から川下までの幅広い製品展開により、お取引先の数は国内外で約9,000社にのぼります。

またナガセケムテックス（株）、（株）林原、Prinovaなどの多様な製造・加工機能に加え、ナガセR&Dセンター、ナガセアプリケーションワークショップ（NAW）、NVC（New Value Creation）室といった研究開発機能も併せ持ちます。

こうした多様な「機能」が、各機能を結びつけて新たなビジネスを生み出すことを可能にしています。「専門商社」の枠組みを超えた「ビジネスデザイナー」として、他社とは異なる独自の事業を展開しています。

デナフィルター

長瀬フィルター（株）は、溶融ポリマーなどの原料から異物を除去（ろ過）するステンレス製の「デナフィルター®」を主力製品とするグループ企業です。事業化のきっかけは、フィルター部材である網目構造の「TPリテーナー」の特許技術に注目したことでした。

このフィルターは、食品包装や工業用などのフィルム製造ラインで主に使われますが、当時まだあまり売れていなかった液晶テレビ向け光学フィルム市場の可能性にいち早く注目し、営業活動と製品の高機能化を進めました。フィルターの目詰まりを除去し再利用するための洗浄技術は、ナガセケムテックスと共に開発し工場を設立。またナガセアプリケーションワークショップに試験機を導入し、顧客の樹脂で実際にフィルムを作って課題を共有するなど地道な営業活動を展開しました。事業拡大に伴い2006年にOEM先の企業を子会社化しており、今後もNAGASEグループの幅広い事業領域を活かし、オイルやガス分野などにも事業展開を図ります。

エポキシシート

エポキシシートは、エポキシ樹脂の持つ接着性、耐熱性と、加工しやすいシート形状を両立する優れた部材です。ナガセケムテックスが開発を始めた2000年当時、携帯電話などの通信用電子部品の製造工程で使われていたエポキシ樹脂は、液状が主流でした。NAGASEグループは、液状では難しかった電子部品の「中空封止」(樹脂が入り込まない中空構造を作り出す)を可能にするシートを開発し、世界で初めて上市しました。

中空封止材としてのエポキシシートは従来にない製品で、顧客の発想・要求をも超える技術でした。しかし、NAGASEの強みを他社と差別化する技術として戦略的に位置付け、顧客とのコミュニケーションを通じて課題を的確に捉えることで、顧客の製造プロセスにまで踏み込むエポキシシートを開発・提案し採用されました。導入により製造工程の簡略化、周辺部材生産のコストダウン、小型化を実現したことで対象部品製造のデファクトスタンダードとなり、NAGASEのネットワークで欧州・北米・アジアの主要顧客に展開され現在に至ります。