食品素材ビジネス

特集 : 食品素材ビジネスの新展開

2019年、米国の食品素材販売・加工会社でグローバルな販売網を有するPrinovaがNAGASEグループに加わったことで、食品素材ビジネスの海外展開が大きく動き出しました。2020年4月には、新たにフード イングリディエンツ事業部が始動。食品素材向け酵素を扱うナガセケムテックス(株)、2012年に子会社化した(株)林原などグループ間のシナジーを追求し、ビジネス展開を加速していきます。

Ⅲ. Company Profile

HAYASHIBARA

食品素材ビジネス、次の一手
成長の鍵を握る中核企業

(株)林原

研ぎ澄まされた「バイオの力」で独創的な新素材開発に挑み続け、世界市場での存在感を高める

代表取締役社長

安場 直樹

2012年よりNAGASEグループの一員となった(株)林原は、グループにおけるライフサイエンス分野の中核企業として、食品、化粧品、医薬品、健康食品、機能性色素等の素材を提供しています。

「微生物スクリーニング技術」「微生物・酵素による物質生産技術」「素材の機能探索技術」をコア技術として磨き上げ、新素材の開発に挑戦し続けています。また、微生物が作る酵素を用いて独自の機能性糖質を生産し、「食品素材」「化粧品/医薬品素材」として国内外の幅広い市場へ供給することで、機能性糖質のグローバルトップブランドとしての地位を固めています。

気候変動や食糧危機をはじめとする社会課題への意識が高まる中、2020年3月期は研究開発・モノづくり・お取引の全てにおいて、事業活動を通じた社会課題の解決に対する期待と要求が急激に高まっていることを実感しました。

アフターコロナの時代を契機と捉え、NAGASEグループの「誠実に正道を歩む」という経営理念を共有しながら、「温もりのある持続的な事業」の意味合いを込めた“Care”をキーワードに、今後も研究開発に取り組み、成長分野への挑戦を続けていきます。

林原の概要

会社名/株式会社林原
URL/https://www.hayashibara.co.jp/
本社/岡山県岡山市
設立/1932年

事業規模(2020年3月期)

売上/250億円
営業利益/49億円
従業員数/652人

生産・開発拠点

岡山第一工場、岡山第二工場、岡山機能糖質工場、藤田工場、藤田製剤工場、藤崎研究所、L’プラザ ( 2020年3月現在)

食品素材事業

高付加価値の食品素材、健康食品素材を独自に開発し製造、販売しています。

主な製品:トレハ®

「トレハ®」は、すっきりとした後味が特徴の低甘味の食品素材です。でん粉の老化抑制、たん白質の変性抑制、保湿作用など幅広い機能を持ち、美味しさや食感の良さを長く保つことができるため、加工食品や飲料、中食、外食分野など国内外で使用されています。

化粧品/医薬品素材事業

高付加価値の化粧品素材、医薬品素材を独自に開発し製造しています。

主な製品:AA2G®

酵素反応でビタミンCにぶどう糖を結合させた「AA2G®」は、化粧品に配合しても安定かつ着色しにくい特性を持っています。塗布すると皮膚の酵素の働きでぶどう糖の結合が切れ、ビタミンCの効果を発揮します。国内外の多くの美白化粧品に配合されています。

機能性色素事業

有機合成のスペシャリストとして、多彩な機能性色素を開発・製造しています。

主な製品:ライフサイエンス用色素

ある種の機能性色素は、薬理・生理活性機能を有することが知られています。また、機能性色素は、細胞染色性あるいは蛍光発色性も有しています。これらの機能を活用した医学・薬学用途での新たな展開を進めています。

Prinova

Prinovaのグループ会社化と
その効果

2019年8月、NAGASEグループは食品素材ビジネスのグローバル展開に向けた新たな一手として、Prinovaをグループに迎えました。

事業ポートフォリオへのインパクト

Prinovaの買収を受けて、NAGASEグループのポートフォリオは、欧米と生活関連セグメントのウエイトが高まることになります。

2020年3月期は、5カ月分の売上高のみ連結しており、数としてはまだ大きくは表れませんが、海外売上高では特に米州の占める割合が増加し、次いで欧州のウエイトも高まることになります。事業セグメント別の売上高では、注力分野である生活関連セグメントのウエイトが大幅に高まります。

NAGASEグループは中期経営計画「ACE-2020」において、ライフ&ヘルスケアの分野を注力分野の一つに掲げていますが、今回の買収は、その核となる食品素材ビジネスの伸長、海外売上高の拡大、欧米での事業基盤づくりを進める上で極めて重要かつ効果的な打ち手であると考えています。

※2019年度は5カ月分のみ連結
配合から最終製品の受託製造まで行う。フレーバリストによる処方提案力も強み

Prinova

多彩な商品提供力を強みに欧米・アジア市場におけるグループでのシナジーを加速

President

Donald K.Thorp

Prinovaの強みは、食品業界に多様なお客様やサプライヤーを持ち、私たちが彼らにとって重要なパートナーとなっていることです。私たちは食品素材業界や市場を熟知しており、原材料の調達、配合とフレーバーに関する研究開発力や、スポーツニュートリション分野での経験とネットワークなどで高い優位性を持っています。

Prinovaにとって、NAGASEグループの持つグローバルな拠点や事業展開は大変魅力的です。私たちはNAGASEグループの経営資源を使い、ビジネスを拡大させ、またコスト削減を図ることができると思います。さらに今後はグループの研究開発ネットワークを広く活用する方策も考えていきます。

Prinovaには、勤勉で、起業家精神にあふれたカルチャーがあります。また、これまで多くのグローバルな食品メーカーと対峙してきたことで、私たちのリーダーには積極的な行動力、お取引先企業の効率化や成長につながる提案力が備わっています。

Prinovaの概要

Prinovaはシカゴ近郊に本社を置き、従業員数約1,000名、創業1978年と40年以上の歴史を持つ企業です。

Prinova Group LLCの概要

会社名/Prinova Group LLC
URL/https://www.prinovausa.com/
本社/米国イリノイ州(シカゴ近郊)
創業/1978年

事業規模(2019年12月期)

売上/約820億円
営業利益/約40億円
従業員数/約819人

製造拠点

米国(4)、英国(1)、中国(1)

販売拠点

米国、英国等、12カ国

取扱品目

食品成分(ビタミン、アミノ酸等)香料、プレミックス品および受託製造品(スポーツニュートリション)

事業内容

食品素材・香料の販売、プレミックス品の製造・加工、受託製造

統合報告書2020

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統合報告書2020 一括ダウンロードPDF(5.5MB)

分割ダウンロード

  • 編集方針・目次(536KB)

  • NAGASEの提供価値(1.3MB)

    Our Value | Identify /見つけ | Develop /育み | Expand /拡げる | Driving Our Value/価値を、未来へ

  • マネジメントメッセージ(771KB)

    CEO Message/トップメッセージ | CFO Message/管理担当取締役メッセージ

  • 価値創造ストーリー(1.5MB)

    NAGASEグループの価値創造ストーリー | 1. Our Philosophy/経営の「拠り所」| 2. Our Business Model/ビジネスモデル | 3. Our Roadmap of Growth/成長戦略 | 4. Our Sustainability Management/サステナビリティ経営 | 5. Our Destination/NAGASEグループが目指すもの

  • 経営・サステナビリティ(1.1MB)

    Our Board/役員紹介 | 社外取締役インタビュー | コーポレート・ガバナンス | コンプライアンス | リスクマネジメント、責任あるサプライチェーン | 環境価値の創出 | イノベーション | 社会価値の創出 | 社会貢献活動

  • 事業ポートフォリオ(1.6MB)

    事業一覧 | 機能素材セグメント | 加工材料セグメント | 電子セグメント | モビリティ・エネルギーセグメント | 生活関連セグメント | 地域別戦略

  • データ・セクション(719KB)

    11年間の主要財務データ | NAGASEグループの歩み | 主なグループ会社・事業所一覧 | 株式情報 | 会社情報