社外取締役インタビュー

2020年6月から伊地知 隆彦氏と野々宮 律子氏が新たに社外取締役に就任し、家守 伸正氏を含めて社外取締役3人体制となりました。3名がNAGASEグループの魅力や提供価値について語ります

社外取締役:家守 伸正、伊地知 隆彦、野々宮 律子社外取締役:家守 伸正、伊地知 隆彦、野々宮 律子

NAGASEの取締役会の運営について、どのような印象をお持ちですか?

家守

就任から4年で感じた取締役会の印象は、大きく分けて二つあります。まず一つは、自由闊達な議論ができること。多くの取締役会では社外役員の話に対し、社内の役員は異論を挟まずに聞かなければいけないという風潮を感じます。その点、長瀬産業の取締役会では社外の発言に反論が出てくることもあり、双方向の柔軟な議論の場になっている点を評価しています。もう一つは、スピードは速くないものの、着実に変化が起きていることです。4年前、社外取締役の割合は2割でした。それが2019年は社内5人・社外2人でほぼ3割に達し、2020年では社外取締役が3人に増えたため4割近くと徐々に高まっています。多様性を追求する観点で女性の社外取締役も加わり、ガバナンス体制は着実に進化しています。

私はこれまで経営に関わってきた立場から、社内の取締役とは異なる視点で問題提起を行う姿勢を基本にしています。2019年までは社外取締役が2人だったこともあり、専門分野以外で発言する機会もありましたが、3人になったことでお二人の専門分野はお二人に任せ、私は自分の分野に集中して発言できることをとても喜んでいます。“発言のための発言”の時間を減らし、投資政策や財務方針など長期テーマの論議に充てる時間が増え、取締役会のさらなる活性化にもつながるのではないでしょうか。

家守
「多様性を追求する観点で女性の社外取締役も加わり、ガバナンス体制は着実に進化しています」

NAGASEの社外取締役として、どのような役割を果たしますか?

伊地知

私は長年、トヨタ自動車で経理財務や人事労務の仕事に携わってきましたので、取締役会でもその分野での専門性が期待されていると受け止めています。経理としては、数字の裏側にあるリスクやチャンスをきちんと検知し、例えばプロジェクトで経営や職場が前のめりになっている場合は抑え気味に物を言い、腰が引けているなら背中を押すことが大切です。ご縁をいただいたことに感謝し、これまでの経験を活かして精一杯励んでいきたいと思います。

トヨタ時代に、会社で一番大事なことは人と人との信頼であると学びました。その信頼の根底にあるのはお互いの理解です。社外取締役としては、まず経営判断の背景にある企業文化を深く理解しなければならないと考えています。その上で、外部の視点で私なりに気づいたことを発信していきたいと考えています。

野々宮

私は高校から大学、大学院を米国で過ごし、最初の就職も米国でした。長い海外経験を活かし、仕事としてはM&Aのアドバイザリーをしています。日本企業による海外企業の買収が増える中、近年はクロスボーダー案件を専門としており、その部分で長瀬産業をサポートしたいという想いを強く持っています。

M&Aでは第三者の立場から企業にアドバイスをすることが多いですが、取締役会でも同様に客観的な視点で意見を申し上げ、長瀬産業の発展に少しでも貢献できればと考えています。

NAGASEグループの魅力は、どのような点にあると思いますか?

野々宮
「専門商社でありながらものづくりも手掛けるNAGASEのビジネスモデルに大きな可能性を感じます」

野々宮

一つは、やはり企業文化です。様々な年齢、立場の方が同じ哲学のようなものを持っていますし、長い伝統を誇る会社であるにもかかわらず、オープンに、ときにユーモアを交えてディスカッションされているのを見るにつけ、一体感とともに品格も感じました。社内にいるとなかなか実感できないことかもしれませんが、外部から見るとNAGASEのカルチャーというものは確実にあり、私はそれが大好きです。

長瀬産業ならではの価値という意味では、やはり軸は日本独自の商社という業態、しかも専門商社でありながらものづくりも手掛けており、ビジネスモデルそのものに高い付加価値がある。そこに大きな可能性が秘められていると思います。

伊地知

約200年にもわたって成長し続けているというのは、それだけで大事業ですが、そこにはそれを成さしめる、価値ある何かがあると思います。きっとそれは「社会の構成員たることを自覚し、誠実に正道を歩む」という経営理念が社内の隅々まで浸透し、共有の価値観として代々揺らぐことなく当たり前に受け継がれてきたからではないでしょうか。私はこのことに経営の凄みと魅力を感じます。ウィズコロナの世界にあって、気鋭のビジネスデザイナーとしてNAGASE流の革新的な化学反応を起こし、社会課題の解決に貢献することがすなわち経済的な企業価値も高めることとなる、チャレンジングなビジネスの展開に期待します。

伊地知
「社会課題解決に貢献し企業価値も高める、チャレンジングなビジネスの展開に期待します」

家守

私が最も気に入っているのは、経営理念で社員の福祉向上をうたっていることです。会社が社員を大切にし、だからこそ社員は会社を信頼する。そこが人財を育てることにもつながっています。また、商社としてのグローバルなネットワークを有する一方で、ものづくり企業のマインドも持ち続けている。これらの要素が絡み合って、長瀬産業の大きな魅力になっていると感じます。

創業200周年の2032年に向けた長期の成長戦略を描き、そこに至る最初の中期経営計画「ACE-2020」で大きな目標を掲げていますが、世界経済が厳しい状況にある今日、実現は難しくなっています。目標は必達しなければ意味がないというのが私自身の経営信念の一つであり、自社の実績を冷静に見た上で戦略を立てるべきだと感じます。ただ、その一方でPrinovaの買収をはじめ、経営規模からすればかなり大きな投資も断行しています。長瀬産業は、そうした重大な経営判断をきちんとできる会社であることも素晴らしい点だと思います。

統合報告書2020

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  • 編集方針・目次(536KB)

  • NAGASEの提供価値(1.3MB)

    Our Value | Identify /見つけ | Develop /育み | Expand /拡げる | Driving Our Value/価値を、未来へ

  • マネジメントメッセージ(771KB)

    CEO Message/トップメッセージ | CFO Message/管理担当取締役メッセージ

  • 価値創造ストーリー(1.5MB)

    NAGASEグループの価値創造ストーリー | 1. Our Philosophy/経営の「拠り所」| 2. Our Business Model/ビジネスモデル | 3. Our Roadmap of Growth/成長戦略 | 4. Our Sustainability Management/サステナビリティ経営 | 5. Our Destination/NAGASEグループが目指すもの

  • 経営・サステナビリティ(1.1MB)

    Our Board/役員紹介 | 社外取締役インタビュー | コーポレート・ガバナンス | コンプライアンス | リスクマネジメント、責任あるサプライチェーン | 環境価値の創出 | イノベーション | 社会価値の創出 | 社会貢献活動

  • 事業ポートフォリオ(1.6MB)

    事業一覧 | 機能素材セグメント | 加工材料セグメント | 電子セグメント | モビリティ・エネルギーセグメント | 生活関連セグメント | 地域別戦略

  • データ・セクション(719KB)

    11年間の主要財務データ | NAGASEグループの歩み | 主なグループ会社・事業所一覧 | 株式情報 | 会社情報