朝倉研二 代表取締役社長によるグループ社員向け年頭挨拶を下記のとおりお知らせいたします。

長瀬産業ならびに国内外のグループ各社の皆さん、明けましておめでとうございます。
2023年が全ての皆さんにとって、平和で、安全で、実りある一年となることを心よりお祈りしています。

残念なことに昨年は、今なお続くコロナパンデミックに加え、ウクライナにおける戦争の勃発、日本では元首相の暗殺など、よもやと思う事柄が頻発しました。そしてそれらは都度、平和を謳歌してきた我々に驚愕を与え、暗鬱たる思いをもたらしました。
年が明けた今も、世界各国にはコロナに苦しむ人、戦時下で極寒に耐えている人が大勢います。
そのような人々に、一日も早く穏やかな日々が戻ることを願ってやみません。

歴史の転換点とも言える昨年、NAGASEグループを取り巻く環境も大きく変化しました。サステナビリティ指向の高まりはもとより世界経済のデカップリング、DXの進化、エネルギー政策の見直し、そして円安など、ありとあらゆる課題が猛スピードで顕在化した一年になりました。

そのような中、NAGASEグループは、各方面での数次にわたる値上げや品不足、また世界規模のロジスティクスの混乱など、誰も経験したことが無いような環境であるにも拘わらず世界各地でサプライチェーンの維持に努めました。
現場で担当している皆さん、本当にご苦労様でした。感謝しています。皆さんの頑張りで、携わる業界におけるNAGASEグループの評価は高まり、各市場においてシェアの維持、拡大が図れたものと確信しています。

業績面では、景気の後退から対前年を下回っている事業もいくつかあり、足元では決して楽観視できる状況ではありませんが、円安効果もあり、今年度も前の年に続きグループ連結実績において過去最高を見込んでいます。
厳しく難しい環境はしばらく続くかと思いますが、残り3ヶ月、達成に向け全員で頑張りましょう。

さて、5ヶ年の中期経営計画「ACE 2.0」は2年目が早くも終了間近、今年は折り返し地点を迎えます。
想定を上回る外部環境の変化から、当初計画の変更を余儀なくされた事業もありますが、私自身、全体的には「質の追求」に向けた各々の施策が確実に前に進み始めたものと捉えています。基盤事業においてはDX導入により効率性、収益性の向上を図っています。環境や省エネなど、サステナビリティを意識した新事業創出の取り組みも多くの分野で進み始めています。昨年、非財務目標として掲げた従業員エンゲージメントの向上に向けた取り組みにおいては、すでに活動範囲がグループ全体に広がりつつあります。そしてもう一つの非財務目標であるカーボンニュートラルにおいても、メーカー部門を中心にKPI達成に向け積極的な活動が始まりました。

「ACE 2.0」の二つの柱である収益構造の変革、企業風土の変革はこれら全ての施策、取り組みがしっかりと遂行されることで成立します。コーポレートとしては、今年も組織改編やM&Aなど、変革に求められる施策を大胆に実行していきます。それぞれの組織、また個人においても、是非自信を持ってブレずに目の前の変革に挑んで下さい。特に統括職の皆さん、中長期を見据えた活動と足元で起こる様々な事柄をいかにバランス良くマネージするかは皆さんの腕次第です。どうしても日々の問題解決に重きが置かれがちになるかと思いますが、決して自分たちで描いた「あるべき姿」を忘れることなく担当組織をリードするようお願いします。期待しています。

今年は新しいグループスローガン「Delivering next.」をNAGASEグループ全体のブランディング活動の一環として前面に打ち出していきます。不透明かつ混沌を極める今こそ、新しい価値を取引先、そしてすべてのステークホルダーに次から次へと提供し続けたい。そのような意味を込めています。国内外すべての従業員の皆さんがこの想いを持って行動することで、NAGASEブランドが世界各地で浸透することを期待しています。
私は、最も大事なステークホルダーである従業員の皆さんが、NAGASEグループで働くことから何らかの価値や喜びを見出すこと、そのような環境を作り出すことも「Delivering next.」が意味するものだと思っています。
皆さん、是非ともこのグループスローガンを大事にして、全員参加でこのブランディング活動を盛り上げていきましょう。

昨年は「Green it!」、さて今年はどのようなスローガンが出てくるか、と期待している人もいるかと思いますが、先ほどからお話ししている通り、今年はDelivering next.を打ち出すことから、その中の「NEXT」を抜き出し2023年のスローガンとします。
次に何をするか、次に求められることは何か、次にやるべきことは、次にやりたいことは、など常に「NEXT」を念頭に議論し発信することを心掛ける一年にしましょう。次を考えることでしっかりとした準備ができ、新たな戦略が生まれるはずです。この一年、「NEXT」、よろしくお願いします。

先ほども触れましたが、今年は国際情勢などが混沌を極め、大変予測が難しい一年となります。
私自身は引き続き強い覚悟を持って更なる変革に挑むつもりです。
皆さんも全員参加の精神を忘れずに、一日一日を大切に過ごして下さい。今年はうさぎ年。「ACE 2.0」の推進はもとより、カウントダウンが始まった 200周年に向け、2023年が大きな飛躍の年となるよう皆で力を合わせましょう。

結びとなりますが、全従業員、ならびにそのご家族の皆様が一年を通して健康に過ごされますことを祈念して、
私からの年頭の挨拶とさせて頂きます。

2023年1月4日
朝倉研二