環境に対する基本的な考え方

NAGASEグループでは、グループが目指す「人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会」のためには地球環境が持続可能なものであることが大前提であると考えています。

現在、地球環境の変化は、世界中の企業や人々に対して大きな決断を迫っています。NAGASEグル―プでは、低炭素社会、循環型社会の実現、汚染防止、生物多様性の保全、水の利用といった環境課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

事業活動の推進にあたっては、自然生態系、地域環境及び地域環境の保全に配慮しエネルギー・水の節減をはじめとした省資源および廃棄物の削減・リサイクルに取り組みます。

環境方針

上記経営理念に則り、地球環境保全のために、以下の方針を制定し実施しています。

1.環境法規制等の順守

事業活動の推進にあたっては、環境保全に関する国際的な宣言、規約、条約、および事業展開している国と地域の法規制等を順守する。

2.環境に配慮した事業推進

事業活動の推進にあたっては、気候変動への対応、循環型社会の形成、水資源の保全、生物多様性への配慮、化学物質の管理を推進し、環境問題の解決に資する製品・技術・サービスを、社会に提供することにより、地球環境保全に貢献する。

3.社会との共生

良き企業市民として、公的機関、産業界、地域社会等と協力して、NAGASEグループにふさわしい地球環境保全活動を推進する。

4.環境マネジメントシステムの確立と継続的改善

環境方針達成のために、環境目標を定め、環境マネジメントシステムの構築・実施と、継続的改善に努める。

5.環境方針の周知徹底と公表

この環境方針はNAGASEグループで働く全ての人に周知徹底するとともに、社外に対して公表する。

2023年4月1日
長瀬産業株式会社
代表取締役社長
上島宏之

環境管理体制

NAGASEグループにおける環境マネジメント体制は、1999年5月に当社において地球環境委員会(現・リスク・コンプライアンス委員会)を設置したことに始まります。同委員会で環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001認証取得の助言・支援を行っています。ISO14001 については、ISO14001の認証取得をご確認ください。

今後も認証取得グループ会社で、環境マネジメントシステムの継続的改善活動を推進していきます。

環境管理体制

グループ製造業連携委員会・環境分科会

環境データの可視化と共有、KPIの設定によりNAGASEグループの環境活動を推進しています。環境データ、特にGHG排出量の各スコープ(Scope1,2,3)について、可視化とKPI設定とその運用管理、削減に向けた課題の共有を行っています。GHG排出量について、グループ内算定規定を制定し、算定と削減に向けた取り組みを推進しています。

NAGASEグループでは、環境について「気候変動」「生物多様性」「汚染防止と資源循環」「化学品管理」「水資源」「サプライチェーン」の取り組みを推進するため、下の目標を設定しています。各目標の進捗状況は、各開示項目のページをご確認ください。

開示項目 目標項目 バウンダリー 2022年度目標
気候変動 GHG排出量 グループ 【定量】
NAGASEカーボンニュートラル宣言

2050年までにGHG排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルの達成を掲げます(Scope1,2)。また、2030年までに、Scope1,2を46%削減(2013年比)、Scope3を12.3%以上削減(2020年比)します。なお、Scope3は今後のサプライチェーンとの対話により目標値の更新も検討します。
生物多様性 影響を与える可能性がある事業活動
持続可能なパーム油の調達
グループ 【定性】
NAGASEグループ「生物多様性に対する基本的な考え方」に沿って、生物多様性に重大な影響を与える可能性がある事業活動に関して、どのように生物多様性に依存しているのか、また、どのような影響を与えているのかを把握し、生態系への影響を最小化し、回復にも寄与することに努める。

【定量】
持続可能なパーム油の調達
100%(2025年度中)
汚染防止と資源循環
原材料
紙の使用量 単体(東京本社) 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、オフィスにおける紙の使用量削減に取り組む。
汚染防止と資源循環
廃棄物
事務系一般廃棄物
リサイクル率
単体(東京本社) 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、オフィスにおけるリサイクル率の向上に取り組む。

【定量】
リサイクル率80%以上
事務系一般廃棄物排出量 単体(東京本社) 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、オフィスにおける廃棄物排出量の削減に取り組む。
汚染防止と資源循環
汚染
新規投資 単体 【定性】
NAGASEグループ環境方針(1.環境法規制等の順守)に沿って、事業活動の推進にあたっては、汚染物質の排出抑制など汚染の防止に努め、環境関連の法律、条例及びその他法規制等を順守する。
生産 グループ 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、生産現場における汚染物質の排出抑制など汚染の防止に努め、生産活動を行う。
化学品管理 関連法令・規制に適切に対応する管理体制 グループ 【定性】
NAGASEグループ「化学品管理に対する基本的な考え方」に沿って、化学品管理を含む商品関連法令管理の強化、情報の集中管理を進め、グループが取り扱う全商品について関連法令・規制に適切に対応する管理体制を整える。
水資源 取排水量
リサイクル
グループ 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、取排水量、リサイクル量を把握し、水資源の適正管理や、環境負荷の低減に取り組む。
サプライチェーン バリューチェーンと環境 グループ 【定性】
NAGASEグループ調達方針(3. 地球環境への配慮)に沿って、お取引先に対して環境問題については、バリューチェーン全体で取組むべき社会課題であることを理解頂き、ともに責任あるサプライチェーンの構築・維持を目指す。

ISO14001の認証取得

なお、現在長瀬産業・グループ各社がISO14001の認証を取得しており、環境ISO組織で運用・維持・更新を行っています。

長瀬産業及び国内関係会社

会社名 ISO14001
(EMS)
環境
長瀬産業(株)
ナガセケミカル(株)
ナガセプラスチックス(株)
ナガセ研磨機材(株)
西日本長瀬(株)
ナガセテクノサービス(株)
福井山田化学工業(株)
(株)キャプテックス
ナガセケムテックス(株) 播磨/堺
ナガセケムテックス(株) 福知山(現 ナガセヴィータ(株)福知山)
東拓工業(株)関西りんくう工場/九州工場/関東おやま工場
ナガセテクノエンジニアリング(株)
ナガセエレックス(株)

海外関係会社

会社名 ISO14001
(EMS)
環境
【NEX】長瀬電子科技(厦門)有限公司
【NCW】長瀬精細化工(無錫)有限公司
Pac Tech Asia Sdn.Bhd.
Pac Tech-Packaging Technologies GmbH
Sofix Corporation
【NKL】Nagase (Malaysia) Sdn. Bhd.(Penang)
【NGH】Nagase (Europa) GmbH
【NPH】Nagase Philippines Corp.

内部環境監査・外部審査

NAGASEグループでは、環境マネジメントシステムISO14001にもとづき、内部環境監査を年1回実施しています。また認証機関による外部審査も実施しています。

環境データにおける第三者保証

当社の開示するScope1,2,3データについて、情報の信頼性を高めるため、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者保証を受けています。

環境法令法規違反

NAGASEグループにおいて、2023年度環境法令違反(罰金・違約金の支払い)事案はありません。

クリーンテックの機会

NAGASEグループは、中期経営計画ACE2.0において、「先端技術を活用した新たな価値創造」「社会・環境課題の解決とグローバリゼーション」をマテリアリティ(重要課題)として掲げています。気候変動を含む環境リスクは、同時にクリーンテックビジネスの機会となります。NAGASEグループは、中長期的に多様な視点と研究開発力で事業化を追求するR&D(研究開発)機能との協働により、クリーンテックを機会として捉え事業を推進しています。そしてNAGASEグループは商社機能に加え、製造・加工機能を有することから、「商社業/製造業」と「可視化/削減」の2軸4象限に分類し、全体施策および施策①~④からなる「NAGASEグループカーボンニュートラル宣言」のもと、目標達成に向けて取り組んでまいります。

グループ全体
大項目 中項目 小項目 事業例
代替エネルギー 再生可能エネルギー 太陽光発電の発電・開発への参画 長瀬産業(株)は、村田製作所からリン酸鉄型リチウムイオン電池「FORTELION(フォルテリオン)」の供給を受け、蓄電関連の技術・開発・製造に強みを持つNAGASEグループのキャプテックスが自家消費型太陽光向け蓄電池盤を製造しています。

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代替燃料 バイオガスの開発・販売への参画 長瀬産業(株)は、嫌気性下で効率よく有機物の分解を行い、システム全体の効率を向上させるノボザイムズバイオロジカルズ社製BG MAX(微生物製剤)の販売を行っています。

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燃料電池/水素システムの開発または販売への関与 NAGASEグループの(株)キャプテックスは、電気自動車などの環境対応車両に向けたリチウムイオン電池モジュールを生産しています。

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エネルギー効率 パワーマネージメント 電池の製造または販売への関与 NAGASEグループの(株)キャプテックスは、産業用蓄電池システムをはじめとして、コンパクト電池電源、標準化された小型電池モジュールを使用した装置への組み込み電源、再生可能エネルギーからの充電による非常用電源システムを製造しています。

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ナノテクノロジーの製造または販売への関与 長瀬産業(株)は、The Shepherd Color社の無機複合酸化物系遮熱顔料を塗料メーカーに販売しております。同遮熱顔料を用いた塗料を使うことで、電力・エネルギー削減に貢献しております。

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家庭用製品のエネルギーソリューション開発への参画 長瀬産業(株)は、家庭向けに次世代エネルギー製品「eneEase(エネイース)」を販売しています。
eneEaseは、太陽光発電と蓄電池、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)がセットになっているもので、太陽光パネルによる発電から、蓄電池による蓄電とパワーコンディショナー(パワコン)によるコントロールで電気を「つくる・ためる・使う・管理する」ことを可能にしています。

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燃費 ハイブリッド車や電気自動車の開発・販売への関与 長瀬産業(株)は、小型EVの活用促進を通じて、社会全体のEV化に貢献することを目的に小型電動車(EV)を宅配業務の現場で運用する実証実験を行っています。

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先端材料の開発・販売への関与 ナガセケムテックス(株)は、エポキシ樹脂製品をトヨタ自動車株式会社(以下トヨタ社)に提供しています。トヨタ社の水素で走る「MIRAI」には、高圧水素タンクが搭載されており、タンクの材料として、強靭な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使用されています。炭素繊維に含浸するマトリクス材料として、ナガセケムテックスのエポキシ樹脂製品が使用されており、タンクの生産力向上に貢献しています。

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インダストリアル オペレーション&オートメーション 最適化技術・システムの開発または販売への関与 長瀬産業(株)は、企業の脱炭素経営の支援を目的として、ゼロボード社が開発したCO2(二酸化炭素)排出量算出・可視化クラウドサービス「zeroboard」の販売を行っています。当社は化学品業界を中心に本サービスの販売、顧客ニーズの収集、CO2排出量削減のソリューションの開発・提供等を行っています。
長瀬産業(株)の研究開発施設ナガセ R&D センターでは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のスマートセルプロジェクトで開発された革新的なバイオ技術を活用し、希少アミノ酸「エルゴチオネイン」の生産性を約 1000 倍に向上させ世界最高レベルの生産効率を達成しています。現在、開発した生産菌株を活用し早期の事業化を目指しています。

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公害防止・管理 きれいな空気 環境情報技術の開発または販売への関与 NAGASEグループの関連会社アイエンス(株)は、特に独自技術により微生物の代謝を促し、化学薬品に頼らない排水処理を実現する排水処理システム「アクアブラスター」をスクラバー(大気汚染・悪臭の防止を目的とした装置)に応用した「デオライザー」を開発しています。

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従来の公害防止技術の開発または販売への関与 NAGASEグループの関連会社アイエンス(株)の「デオライザー」 は、化学品メーカーや食品工場などから排出される有機溶剤や排煙の処理に優れた効果を発揮しています。

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再利用とリサイクル リユース製品または廃棄物リサイクル製品の開発・販売への関与 ナガセアプリケーションワークショップを有する長瀬産業(株)は、(株)サイゼリヤが展開するイタリアンレストラン「サイゼリヤ」の全店舗で導入されているトライタン製ワイングラス(石川樹脂工業(株)製)のリサイクルにおいて、石川樹脂へのリサイクル材提供・製品開発をサポートしています。

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水処理・浄水 水処理・浄水 排水処理事業への参画、排水処理技術の開発・販売 NAGASEグループの関連会社である(株)アイエンスの排水処理システム「アクアブラスター」は、独自技術により微生物の代謝を促し、化学薬品に頼らない排水処理を実現し、既に数多くの工場の排水処理設備などで導入されています。

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教育・啓発活動

ホームページ、イントラでの環境・サステナビリティ関連ページや説明会などを通じてISO14001の教育・啓発活動を行っております。また、2021年4月に発足したサステナビリティ推進室による事業部門ごとの「ラウンドセッション」、事業部門の代表者がTCFDの開示項目「機会」について情報共有、ディスカッションを行う「気候変動ワークショップ」などを通じて、気候変動問題など環境問題に関する重要テーマの情報提供やディスカッションを行っています。また、産業界でライフサイクルアセスメント(LCA)の導入が急速に進展するなか、長瀬産業では勉強会やオンラインでの情報交換による学びを支援する「セルフ・イノベーション・チャレンジ」制度で、社員の「LCA初級検定」受験・学習支援を行っています。