NAGASEグループにおける「製品安全」「品質管理」「責任ある宣伝とマーケティングの基本方針」についてご紹介します。
製品安全・品質管理に対する考え方と取り組み
NAGASEグループでは、お客様に安全な製品を供給し、安全・安心な社会を構築するため、製品安全・品質管理を社会的責任の重要課題の一つと位置づけています。「NAGASEグループ製品安全自主行動指針」に基づき、グループ全体でのルール策定や啓蒙活動を通じた製品の安全性確保に努めています。また、リスクマネジメント部において、仕入先・製造委託先の管理、グループ製造会社の支援、社内教育等を実施しています。
製品安全への対応
NAGASEグループ製品安全自主行動指針
2024年4月1日改定
NAGASEグループは、「リスク・コンプライアンス行動規範(詳細説明)」に則り、お客様に安全な製品を供給し、安全・安心な社会を構築するため、製品安全を社会的責任の重要課題の一つと位置づけ、NAGASEグループが製造事業者として製造・輸入販売する製品の安全性の確保に努めます。
1.法令・規則及び社内規定・ルールの遵守
NAGASEグループは、消費生活用製品安全法をはじめとした製品安全に関する諸法令を遵守することはもちろん、この行動指針に則り厳正な管理を実施し、誠実に製品安全の確保に努めます。
2.社内ルールの策定と実践
NAGASEグループは、製品安全に関する社内ルールを策定・運用し、継続的な改善を行うことにより、製品の安全確保に積極的に取り組みます。
3.製品安全推進体制の構築
NAGASEグループは、製品安全に関する諸法令に加え、社内ルールの遵守を徹底するために必要な体制を構築し、研究、開発、企画、デザイン、生産、輸入、販売、アフターサービス等事業活動のどの段階においても安全性に配慮することに努めます。また、内部監査を定期的に実施し、必要に応じて教育訓練、社内ルール・体制の見直しを行います。
4.誤使用等による事故発生の防止
NAGASEグループは、製品を安全に利用いただくため、誤使用や不注意による事故防止に役立つ製品の安全性情報や取扱上の注意等の情報伝達を適切に実施します。
5.製品事故への対応
NAGASEグループは、製品について製品事故が発生したときには、被害の拡大を防止するため、製品の回収やその他被害拡大防止に必要な処置を講じるとともに、製品事故に関する情報を積極的に収集し、迅速に製品の利用者や関係者に提供します。 また、法令に基づき、迅速に監督官庁等に報告を行います。
6.製品事故の再発防止
製品事故が生じた場合は、その原因を究明し、その記録を適切に蓄積、利用することにより再発防止に努めます。
品質管理への対応
NAGASEグループでは、「NAGASEグループ製品安全自主行動指針」に基づき、お客様に安全な製品を供給し、安心・安全な社会を実現するため、製品安全の確保・品質管理の徹底を社会的責任の重要課題の一つと位置づけています。
その実現のため、ISO9001などの国際規格を取得し、全社での品質マネジメントシステムの運用を通じて、提供する製品の品質向上のための継続的改善(PDCA)を行い、あらゆる仕事の質を高める努力を続けています。
品質マネジメントシステム
NAGASEグループでは、「ISO9001」を品質マネジメントシステムの中心に据え、FSSC22000など事業特性に応じた認証を製造業各社が取得しています。
長瀬産業及び国内関係会社
会社名 |
ISO9001 (QMS) 品質 |
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長瀬産業(株) | ○ |
オー・ジー長瀬カラーケミカル(株) | ○ |
福井山田化学工業(株) | ○ |
(株)キャプテックス | ○ |
長瀬フィルター(株) 東大阪/福井 | ○ |
ナガセケムテックス(株) 播磨/堺 |
JIS Q 9100 IATF16949 〇 |
ナガセヴィータ(株)福知山事業所(福知山第一工場、福知山第二工場) |
FSSC 22000 〇 |
ナガセヴィータ(株)本社、第一工場、第二工場等 機能糖質工場、機能色素部、研究開発本部 |
○ |
ナガセヴィータ(株)岡山第二工場 | (GMP) |
ナガセヴィータ(株)岡山機能糖質工場 |
FSSC 22000 |
ナガセテクノエンジニアリング(株) | ○ |
ナガセ情報開発(株) | ○ |
ナガセエレックス(株) | ○ |
海外関係会社
会社名 |
ISO9001 (QMS) 品質 |
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【Prinova】 Aylesford, UK | FSSC22000 〇 |
【Prinova】 US | BRC—AA grade |
【Prinova】 Changzhou, China | FSSC22000 〇 |
【NEX】長瀬電子科技(厦門)有限公司 | ○ |
Pac Tech Asia Sdn.Bhd. | IATF16949 〇 |
Pac Tech USA-Packaging Technologies Inc. | ○ |
Pac Tech-Packaging Technologies GmbH | IATF16949 〇 |
【NESCO】Nagase Engineering Service Korea Co.,Ltd | ○ |
Sofix Corporation | ○ |
【NCU】Nagase ChemteX America Corporation. | IATF16949 〇 |
【NKL】Nagase (Malaysia) Sdn. Bhd.(Penang) | ○ |
【NGH】Nagase (Europa) GmbH | ○ |
【NPH】Nagase Philippines Corp. | ISO17025 〇 |
ナガセケムテックス(株)、ナガセヴィータ(株)の品質マネジメントシステムについては、下をご確認ください。
責任ある宣伝とマーケティングの基本方針
NAGASEグループは、食品業界向け食品素材・食品添加物などの取扱いや、医薬・医療業界向け医薬品原料や医療機器などの取扱いがあり、素材提案だけでなく、製造加工やアプリケーション提案などにより、人々の健康で豊かな生活への貢献を目指しています。また、NAGASEグループは、法令遵守はもとより、社会的規範、社会的良識に基づいた事業活動を行い、消費者の利益を保護することを方針として掲げています。
そのため、消費者との情報格差などに起因する誇大広告、不適切な宣伝やマーケティングは一切行わず、商品やサービスの特性や効能について誤解が生じないような表示を徹底することを基本方針とし、法令や基準の確認、および業界団体などの第三者からの情報収集に努め、これを実践しております。また、消費者の健康を最優先することを方針とし、商品やサービスの適正な用量・用法の記載を行い、過剰摂取や過剰利用による負の影響に対する注意喚起を行っております。
消費者は重要なステークホルダーであり、消費者の不利益はNAGASEグループ、および全てのステークホルダーの不利益につながるため、NAGASEグループは、責任ある宣伝とマーケティングの重要性を認識しています。
NAGASEグループは、以下の団体に加盟し、業界の最新情報を収集しています。
サプライチェーンに関するイニシアチブへの参加
NAGASEグループは、一般社団法人 日本貿易会に加盟しております。日本貿易会が定めた会員各社のためのCSR行動ガイドライン「サプライチェーンCSR行動指針」を支持し、あらゆる取引先と共に CSR活動を推進していきます。
【その他参加しているサプライチェーンに関するイニシアチブ】
一般社団法人近畿化学協会 / 一般社団法人日本化学品輸出入協会 / 一般社団法人日本化学工業協会(JCIA) / 一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC) / 日本プラスチック工業連盟 / 一般社団法人日本半導体製造装置協会 / PETトレイ協議会 / 一般社団法人日本流行色協会/日本バイオプラスチック協会 / 一般社団法人日本自動車部品工業会 など
食品業界における責任ある宣伝、マーケティング
食品業界における責任ある宣伝、マーケティングは、食の「安心・安全」という観点で重要であると認識しております。NAGASEグループではウェブサイト運用、展示会出展、ダイレクトメール配信などフード事業の広告宣伝活動にあたって、「リスク・コンプライアンス行動規範」「リスク・コンプライアンス行動規範(詳細説明)」に沿った責任あるマーケティングを行っています。各国における関係法規の遵守はもちろん、安全性・人権問題・環境問題・社会的倫理性などに留意し、適切な表示・表現に細心の注意をはらっています。また、コンプライアンスに関する説明会、勉強会に社員が参加し各種法令の遵守に努めています。
食品業界イニシアティブへの参加
NAGASEグループは、一般社団法人日本食品添加物協会に加盟しております。協会が定めた自主基準である「食添GMP(Good Manufacturing Practice) 」を支持し、食の安心・安全な供給に貢献しています。
【その他参加している食品業界イニシアチブ】
公益財団法人日本醸造協会/日本介護食品協議会 など
ナガセヴィータ(株)
介護食への取り組み
NAGASEグループでは国民の高齢化に伴い、様々な課題解決の取り組みを行っています。国民の高齢化に伴い、近年問題視されている事例の一つに嚥下(えんげ)障害があります。ナガセヴィータ(株)は、介護現場において日常よく見られるようになった嚥下障害が、わが国の食の大きな社会課題として認識しています。トレハロースが持つ保水性や素材を安定化する効果は、高齢者へ食の美味しさと食べやすさを提供し、冷凍耐性は食事提供者にとって嚥下食の保存性を高め、食事作りの負担を軽減しています。ナガセヴィータ(株)は日本介護食品協議会加盟企業として、介護食品「ユニバーサルデザインフード」の充実化や普及を推進しています。
栄養へのアクセスに関する方針・基本的な考え方
NAGASEグループでは、より良い栄養へのアクセスを社会課題として捉え、人々の健康で豊かな生活へ貢献するために、素材提案だけでなく製造加工、アプリケーション提案、レギュラトリー機能といったグループの総合力を活用したソリューションをグローバルに提供することに寄与します。
また、開発途上国では、貧困等によって引き起こされる飢餓や低栄養が社会課題となるなかで、NAGASEグループでは、「TABLE FOR TWO」(TFT)への参加により、開発途上国の子どもたちへの栄養素の高い食品の提供に貢献しています。
(株)林原(現 ナガセヴィータ(株))では、日本政府が主催する国際会議「東京栄養サミット2021」にてコミットメントを表明しました。
目標 |
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研ぎ澄まされたバイオの力で、すべての人へウェルビーイングを!株式会社林原(現 ナガセヴィータ(株))は、2030年までに、ステークホルダーの皆様とともに、食品素材の機能を活かし、人と地球の健康を支える安全で持続可能な食の普及を推進します。 ・すべての人がより健康的で十分な食事を摂取できるように、持続可能な食料システムへの変革に貢献します。 ・2025年までに100製品、2030年までに200製品を、パートナー企業様と開発します。 ・農業に従事する人々を支援するために、土壌改良、化学肥料の使用量削減など、環境負荷低減に貢献します。 ・食品業界からの食品ロスや廃棄物を削減するために、食品メーカーの生産性と製品品質の向上に貢献します。 ・食品加工技術や専門の知識を活かし、年間100件の支援を行います。 |
(株)林原(現 ナガセヴィータ(株))の東京栄養サミット2021へのコミットメントについては、こちらをご確認ください。
国連WFPコーポレートプログラムに 「パートナー」として参加
NAGASEグループの(株)林原(現 ナガセヴィータ(株))は、国連の食料支援機関である国連WFPの取り組み趣旨に賛同し、その活動を支援するため、国連WFPコーポレートプログラムに「パートナー」として参加しています。(株)林原(現 ナガセヴィータ(株))は、「安定的な食料確保」をマテリアリティに掲げ、持続可能な食料システムの構築を目指したさまざまな取り組みを行っています。国連WFPの活動支援を通じて、「安定的な食料確保」の課題地域である途上国に対して、国連WFPの人道的支援活動を通じて社会貢献に寄与してまいります。
苦情処理について
お客様や取引先から製品・サービスに対する苦情を受けることは、NAGASEグループにとって重大な問題ですが、こうした情報はNAGASEグループの品質を改善する貴重な情報でもあります。NAGASEグループがお客様や取引先からの苦情に関する情報は、各グループ会社のそれぞれの現場で迅速かつ適切な対応に努めています。苦情に関するご連絡は、こちらからご連絡ください。
医薬事業への取り組みと売上比率
NAGASEグループは、医薬事業(製剤、原体、中間体、原料、後発品用原薬等の提供など)や医用画像分野のソフト開発などのファーマメディカル事業を展開しています。2024年3月期の医薬事業の連結売上比率は約4.2%です。2020年8月に長瀬産業株式会社は、当社連結製造子会社で医薬品の開発・製造等を行うナガセ医薬品株式会社の全株式を、塩野義製薬株式会社の 100%子会社であるシオノギファーマ株式会社に譲渡しております。
エンドトキシン除去技術 受託サービスの提供開始
長瀬産業は、2022年6月より医療機器や医薬品製造、細胞培養などライフサイエンス分野で注目されるエンドトキシン除去技術を活用した受託サービスの提供を開始しました。サービス提供に伴い、エンドトキシン分析器の販売において国内トップシェアである富士フイルム和光純薬(株)との代理店契約を締結し、顕在化されていない新たなエンドトキシン除去ニーズへの対応を目指します。
エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁成分からなり、生体内に取り込まれた場合、発熱やショック反応を引き起こす外因性発熱物質として知られていますが、安定的に低エンドトキシンバイオマテリアルを得る精製プロセスの構築には高い技術力や設備が必要となるといった課題がありました。NAGASEグループでは、製造子会社の中核でバイオ分野でも強みをもつナガセケムテックス(株)が低エンドトキシン材料を開発し、2020年より長瀬産業で販売を開始いたしました。今後は独自のエンドトキシン除去技術を活用した、さまざまなサービスラインナップの拡充に取り組みます。

グループ製造業連携委員会の取り組み
NAGASEグループ製造業各社において、メーカーとしての基盤を強化することを目的に2019年にグループ製造業連携委員会を設立、運営しています。安全、品質、環境などの主として非財務情報を共有・活用し、連携して諸課題の解決に取り組み、グループ全体の企業価値向上と持続的成長を目指しています。
【対象会社】
NAGASEグループの国内製造関係会社(100%) 9社 (2024/4/1現在)
長瀬産業、ナガセケムテックス、ナガセヴィータ、東拓工業、福井山田化学工業、長瀬フィルター、ナガセテクノエンジニアリング、キャプテックス、ナガセビューティケァ
グループ製造業連携委員会では、品質向上活動および、労働安全・環境・DXの分科会での取り組みを行っています。各分科会の活動はサステナビリティサイトで開示しています。