汚染防止と資源循環に対する基本的な考え方

汚染防止

NAGASEグループでは、関連法規である大気汚染防止法、水質汚濁防止法や各自治体の条例、協定などで定められた基準値よりも厳しい自主管理値を設定し、その遵守に努めています。汚染物質の排出抑制を図り、自然環境の維持・保全に積極的に取り組みます。

資源循環

NAGASEグループでは、環境方針で「エネルギー・水の節減をはじめとした省資源および廃棄物の削減・リサイクルに取り組む」ことを掲げています。資源・エネルギーの投入量と廃棄量を抑え、循環の中で付加価値を生み出し、経済成長と環境負荷低減の両立を目指すサーキュラーエコノミーに取り組みます。

目標と進捗

原材料・廃棄物の削減のための目標と実績

開示項目 目標項目 バウンダリー 2022年度目標 2022年度実績
原材料 紙の使用量 単体(東京本社) 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、オフィスにおける紙の使用量削減に取り組む。
【定性】
達成

【定量】
達成
65%減
(前年比)
廃棄物 事務系一般廃棄物リサイクル率 単体(東京本社) 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、オフィスにおけるリサイクル率の向上に取り組む。

【定量】
リサイクル率80%以上
【定量】
達成
76.9%
事務系一般廃棄物排出量 単体(東京本社) 【定性】 NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、オフィスにおける廃棄物排出量の削減に取り組む。 -

紙の使用量、リサイクル率、事務系一般廃棄物排出量データについては、こちらをご確認ください。

国連食料システムサミット(FSS)への支持

ナガセヴィータ(株)

ナガセヴィータ(株)は、全ての持続可能な開発目標の達成に向け、持続可能な食料システムへの変革と具体的な行動を推進するために開催される国連食料システムサミット(FSS)への支持を表明しています。同社は、すべての生命の健康と未来の食を豊かにするため、持続的な食料システム、特に「質(栄養)・量(供給)両面にわたる食料安全保障」の実現に貢献します。同社が長く培ってきた酵素利用技術の強みとバイオテクノロジーから生まれた自然由来の素材を活かし、栄養価の高い食品開発を促進します。また、フードロス低減や農畜産物の生産性を向上し、安定的な食料確保に取り組みます。

ナガセヴィータ(株)の廃棄物リサイクルの取り組み

ナガセヴィータ(株)では各生産拠点で発生する廃棄物のリサイクルに積極的に取り組んでいます。例えば、製造装置から発生する金属ゴミは金属リサイクル業者へ提供、また、排水の浄化設備から発生する排水汚泥はたい肥、肥料などを製造する業者の原材料として提供しており、廃棄物の有効利用について他社と協働を通して推進しております。その結果、各生産拠点において、ナガセヴィータ(株)における産業廃棄物のリサイクル率は約98%で推移しております。

オフィスビルでの3R活動

事業系施設では、ゴミを排出する時点で適正に分別することはとても重要です。長瀬産業東京本社オフィスでは、執務席には個別ごみ箱は設けず、フロア内に集約配置されたユーティリティにのみ分別リサイクルBOXを設置し、3R活動を推進しています。

汚染に関する目標と実績

開示項目 目標項目 バウンダリー 2022年度目標 2022年度実績
汚染 新規投資 単体 NAGASEグループ環境方針(1.環境法規制等の順守)に沿って、事業活動の推進にあたっては、汚染物質の排出抑制など汚染の防止に努め、環境関連の法律、条例及びその他法規制等を順守する。 達成
生産 グループ 【定性】
NAGASEグループ環境方針(2.環境に配慮した事業推進)に沿って、生産現場における汚染物質の排出抑制など汚染の防止に努め、生産活動を行う。
達成

VOC(大気汚染物質)排出量データについては、こちらをご確認ください。

汚染防止と資源循環 2022年度の取り組み

取り組み 詳細
業務プロセス改善やテクノロジーの導入による大気汚染緩和

排ガス処理プロセスの提供と活用

大気環境を保全するために、ばい塵やVOCなどは、排出基準値が定められています。NAGASEグループでは、これらの排出基準値を満たすための排水・排ガス処理技術ソリューションをサプライチェーン上で提供しています。また、グループ内の製造拠点でもスクラバーの設置により、有害ガス等の排出軽減を図っています。また、定期的に第三者機関で排ガス濃度の測定を実施しています。
代替品や有害性がより低い物質の使用

有害性がより低い代替品の提供

化学物質を取り扱うことによる人体及び環境への被害防止・最小限化のためには化学物質の危険性や有害性に関する科学的な情報の入手とそのリスク評価、そして適切な取扱いが必要です。ナガセケムテックス(株)が提供するアミン系硬化剤原料の一部が劇物に指定されているため、非劇物の代表的接着剤として「デナタイト XNR3324/XNH3324」を有害性がより低い代替品として提供しています。
廃棄物の管理

廃棄物の適切な処理と電子マニュフェストによる報告

NAGASEグループでは、工場や事業所から排出される廃棄物の削減と再資源化を推進するため、回収・分別などのシステムを確立し、環境マネジメントシステムの中で目標を設定して取り組んでいます。また、廃棄物の処理責任を確実に果たすために、廃棄物処理を委託している業者について、現地確認を定期的に行い、廃棄物が適正に処理されていることを確認しています。

なお、廃棄物の不適正処理への対応強化を目的とした、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下廃掃法)の一部改正により、2020年度から特別管理産業廃棄物を50t以上排出する事業者は、電子マニフェストの使用が義務付けられることとなり、当社は電子マニフェストによる報告を実施しています。

取り組み事例

ビジネスの新たな提供価値を創出「plaplat®

NAGASEグループは、地球環境に配慮しながら、プラスチックがもたらす利便性を保持することは重要な課題であると捉えています。長瀬産業とナガセプラスチックス(株)が運営するオンラインプラットフォーム『plaplat®』では、リサイクル・バイオマスといった環境配慮型素材、CO2可視化・省エネ成形といったサステナブルソリューションなどの情報を発信、また、素材の安全性を確認するための「環境負荷物質不使用証明書」の依頼から書類受領までを行うことができるサービスを提供し、プラスチックビジネスの新たな提供価値を創出し、サステナブルな社会に貢献します。

plaplat<sup>®</sup>

省資源に貢献 3Dプリンター用樹脂素材とラボ提供

金型を必要としない3Dプリンターの普及は、製造業における省資源に貢献しています。NAGASEグループでは、取引先企業の3Dプリンタによるモノづくりへの挑戦を、樹脂素材の提供を通して支援することは重要な課題と認識しています。ナガセケムテックス㈱では、3Dプリンタ光造形樹脂を製造しています。また、3Dプリンタ装置の硬化特性に合わせた⾼品質の樹脂をカスタマイズ開発し、強靭性・耐熱性・ゴム弾性・キャスタブル性など各種特性への対応を行っています。併せてオープンラボでは、取引先の3Dプリンタによるモノづくりをサポートしています。

3Dプリンター用樹脂素材

環境へのやさしさと美味しさを両立「TiMELESS®

NAGASEグループでは、食品の美味しさを保ち、環境配慮がされたパッケージを提供することは重要な課題と認識しております。長瀬産業は、包装材などの制作・販売を行う株式会社MIBが開発したガスコントロール技術「TiMELESS®(タイムレス)」の拡販を進めており、2022年5月には「TiMELESS」を活用した食品向けバリア包装材「asue(アスエ)」を、ナカバヤシ(株)、(株)三菱ケミカルホールディングスグループ、王子エフテックス(株)、旭洋(株)と開発しました。一般的にコーヒー豆の包装材には、豆から排出される炭酸ガスを脱気し袋の膨張・破裂を防ぐためにプラスチック製バルブが多く使われています。「asue(アスエ)」は、バルブの代替として、MIBが開発した脱気のための流路を形成する技術「TiMELESS®」をシール部分に採用し、環境へのやさしさと美味しさを両立しています。

TiMELESS<sup>®</sup>

ISCC PLUS 認証の取得

NAGASEグループでは、気候変動問題におけるバイオマス化の推進について重要な課題であると捉えています。長瀬産業は、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである ISCC PLUS 認証を取得しています。ISCC(International Sustainability and Carbon Certification、国際持続可能性カーボン認証)は主にバイオマスの認証制度として既に欧州で普及が進んでおり、ISCC PLUS 認証は、マスバランス方式(※1)で製造されたバイオマス原料や再生原料等の製品をサプライチェーン上で管理・担保する認証制度です。EU域外を含む全世界の製品を対象としたISCC PLUS 認証の取得により、認証製品の取り扱いが可能となります。今年度の更新では、トリメチロールプロパン・ペンタエリスリトール・ネオペンチルグリコールの取り扱いも可能となりました。また、NAGASEグループでは長華塑膠股份有限公司(台湾)がISCC PLUS認証を取得しています。今後もISCC PLUS認証製品の取り扱いを通じて、地球温暖化対策に貢献してまいります。

  • ※1バイオマス由来等の持続可能な材料と、石油由来等の非持続可能な材料が含まれている製品の管理・計算方式で、主に複雑な生産工程を持つサプライチェーンのバイオマス化推進のため活用されています。
ISCC PLUS

(株)アイエンス「デオライザー」による大気汚染・悪臭防止

NAGASEグループでは、生産現場における大気汚染・悪臭防止へのソリューション提供について重要な課題であると捉えています。NAGASEグループの関連会社である(株)アイエンスのスクラバー(大気汚染・悪臭の防止を目的とした装置)「デオライザー」は、水膜で100%気液接触が可能なカートリッジ式スクリーンを採用しています。40mm前後の水膜で、排ガスをシャットアウトし、また排水処理で定評のあるアクアブラスターを搭載し水の腐敗を防止して、循環水の長期利用を可能な地球環境にやさしく高性能なスクラバーで、多くの工場で採用され、臭気物質に幅広く対応しています。今後も「デオライザー」の普及、推進により汚染防止に貢献してまいります。

【第47回優秀環境装置表彰・中小企業庁長官賞を受賞】

アイエンスのデオライザーが第47回優秀環境装置表彰・中小企業庁長官賞を受賞いたしました。詳細はこちらからご確認ください。

アクアブラスター

「TREHA®」活用による持続可能な食料システムの構築

NAGASEグループでは、持続可能な食料システムの構築について重要な課題であると捉えています。グループ会社ナガセヴィータの「TREHA®」は、食料システムの食品生産・加工・流通・消費のプロセスにいて、食品生産量の向上と食品破棄量の減少に大きく貢献しています。「TREHA®」の働きとして、食品生産では家畜の飼料や作物の肥料として農作物の成長促進に貢献し、流通では野菜や果物の組織安定化に寄与し水分をキープして新鮮さをより長く保つ働きを有しています。今後も「TREHA®」を活用した持続可能な食料システムの構築により、資源循環に貢献してまいります。

TREHA

産学連携『サーキュラーマテリアル』コンソーシアムの設立

京都大学大学院総合生存学館と長瀬産業は、サーキュラーマテリアル(サステナブルな材料)の開発に関する議論、提案の場である『サーキュラーマテリアル』コンソーシアムを開設、2022年9月より運営開始しました。本コンソーシアムは、京都大学が主催となりサステナブルな材料開発に関する最新技術・トレンド等の情報提供やディスカッションの機会を提供します。後援企業である長瀬産業は、化学業界の製造業を中心に、業界での幅広いネットワークを通じて本コンソーシアムの普及、参加企業のフォローアップ等のサポートを行います。サーキュラーエコノミーに対する注目が高まる中、サステナビリティに則った材料開発は資源やエネルギーなどの分野や、リサイクル率等の様々な要因による複雑さから、一つの専門性だけでは課題解決に至らないといった課題がありました。本コンソーシアムは、総合的かつ俯瞰的な視点で最先端技術や国際的なトレンドなどの情報提供やディスカッションの場を提供することで、材料開発の側面からサーキュラーエコノミーへの貢献を目指しています。(参加:株式会社esa、東洋紡株式会社、ナトコ株式会社、三井化学株式会社、ヨネックス株式会社、阪本薬品工業株式会社、および長瀬産業)

汚染防止と資源循環に関するデータ