おはようございます。長瀬産業株式会社社長の朝倉研二です。
長瀬産業、NAGASEグループに入社された皆さん、入社おめでとうございます。
今日、ここにWEB参加も含め66名の新入社員が参加しています。皆さんをグループの一員として迎えることができ私自身大変嬉しく思っています。そして、近い将来、国内外のさまざまな場面で皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

今日ここで皆さんの前で挨拶をするにあたり、例年になく言葉選びに悩みました。毎年と同じような話で良いのか、いや違う、といったことで悩んだわけですが、皆さんはどんな思いで参加していますか?

2020年、2021年とコロナパンデミックにより我々は従来とは大きく違う環境のもとで暮らしています。仕事をしています。生きています。皆さんはそういう中で社会人としてのDAY1を迎えたわけですが、どんな思いで今日を迎えているんだろうか?これまでの新入社員とはまるでちがう思いをもってこの入社式に臨んでいるのではないか?とあれこれ思っていたわけです。しかし、どんな環境であろうと、今日2021年4月1日は皆さんにとって記念すべき日であり、将来に向け、希望、夢で胸を膨らませていて欲しいと思っています。そんな皆さんに激励の意味も込めて少しお話をさせて頂きます。

私は毎年この場で、我々を取り巻く環境の変化が激しい、時代に則したビジネスを模索する、我々自身スピーディーに変わらなければならない、などと悠長に話をしていました。しかしコロナ禍でそんなものは全て吹き飛んでしまいました。新しい時代が、我々が想定していた段階を踏むことなく到来したのです。しばらくは感染拡大防止の理由で若干の停滞はあるかもしれませんが、技術革新、デジタル化、環境意識、そして事業体としての会社の存在意義、また人の尊厳に対する考え方、世界における日本の立ち位置まで、これら全てが元に戻ることなく、大きく変化を遂げ、NEWノーマルが形成されようとしています。

そんな時代に皆さんは社会人の一歩を印したわけです。そこで、もう一度「おめでとう」と言います。時代のターニングポイントに入社し、求められ、期待されるということは幸せなことだと思います。今後皆さんが、自らを磨き、奮い立たせ、NAGASEグループの成長エンジンとなることを期待しています。

会社の現状について少し説明します。NAGASEグループでは昨日をもって2020年度を終了し、あわせて中期経営計画ACE-2020を終えたところです。昨年度、前半は大変厳しい事業環境でしたが、後半に入り中国市場の復調、自動車関連事業の復調などから、最終的に想定を上回る業績を上げることができました。今日、元気に新しい年度、2021年度を迎えています。

同時に今日から新しい中期経営計画がスタートしました。「質の追求」をテーマとして掲げ、経済的価値と合わせて社会的価値を向上させていこう、というアグレッシブな計画です。長い歴史の中で培ってきたもの、そしてこの5年間のACE-2020で積み上げてきたものを活かし、2032年に迎える創業200周年に向け、新しい方向性を示し、その基盤を作り上げる大変重要な5年間です。
この中期経営計画の詳細については早晩皆さんにも説明があると思います。配属される部署の計画を学ぶのはもちろんです。加えて、必ず会社全体がどうなっているのか、どういう方向に向かおうとしているのかということにも目を向け、常に意識するようにして下さい。新しい中期経営計画達成には、新しい感覚を持った若い世代の人たちの活躍が不可欠です。そして皆さん自身がその一翼を担っているということを忘れないで下さい。

仕事からは少し離れますが、1つ、2021年度のトピックスをお話します。東京パラリンピックにNAGASEの和田伸也社員が金メダルを目指して出場予定です。病気で視力を失った選手ですが、素晴らしい人格者です。陸上の1500m、5000m、マラソンに出場予定です。みんなで応援しましょう。

さて、我々は新時代、NEWノーマルにおける更なる成長を期して活動を始めたわけですが、過去から大事にしてきたもの、そしてこれからも大事にしていかなければならないものがあります。企業としての理念です。もう勉強して頭に入っている人もいるかもしれませんが、NAGASEグループでは「誠実に正道を歩む」という言葉を理念として掲げ、グループ社員全員の拠り所としています。私はこの言葉を誇りに思っています。この理念があってこそ188年の歳を刻むことができたのでしょう。今日NAGASEの一員となった皆さん。今日のうちに少なくとも一度、この言葉を書き、そしてしっかりと記憶に留めるようにして下さい。

始めに話をした通り、例年と同じような話で良いのか、と悩んだわけですが、やはり、今年もまた社会人としての新しい人生をスタートさせた皆さんに、「PRIDE」「COMMUNICATION」「RESPECT」という3つの言葉を、大事にして欲しい言葉、として贈りたいと思います。

まずPRIDEです。皆さんには既に20数年の歴史があります。家族や仲間と培ってきたこれまでの人生を大事にしてください。そして今日からは社会人、NAGASEグループの一員です。自分自身に対するPRIDE、NAGASEの一員としてのPRIDE、この両方をしっかり持って日々活動して下さい。

次にCOMMUNICATIONです。コミュニケーションとは、相手に思いが伝わることで初めて成立します。自分の思いを、正しい言葉で、相手に伝えることは思いのほか難しいことで、これから皆さんもその難しさを痛感することになるはずです。会社ではそのコミュニケーションを英語でこなすことも必要になります。メール、SNSなどいろいろなツールもありますが、まず大事なのは取引先、上司、先輩、同僚などと、自分の言葉でコミュニケーションすることです。しっかり相手の目を見てコミュニケーションすることを心がけ、大事にして下さい。

そしてもう一つ、RESPECTです。社会人になった今、皆さんは人としての品格が問われます。うそをついたり、誹謗中傷したり、またニュースによく出る改ざん、不正、隠ぺい等、こうしたことが自らの品格を落とすことはもちろんです。ただ、それ以上に、上から目線で人を見たり、高圧的な態度で人と接したり、人の失敗をあざ笑ったり、こうしたことが皆さんの人としての品格を損なってしまうということを忘れないでください。RESPECT、そのまま訳せば尊敬する、尊ぶ、となりますが、そういった気持ち、関わる全ての人を大切にする気持ちがあれば、自ずと品格は備ってくると思います。

NAGASEグループは素晴らしい企業集団です。必ず皆さんにやりがい、生きがいを持って仕事ができる職場、環境を提供します。皆さんが日々研鑽を重ね、一日も早く活躍することを心から祈っています。

最後になりますが、残念ながらコロナにより、今なお社内において様々な行動制限が課せられています。しばらくは我慢の日々が続きますが、社会人としての自覚をもって行動するようにお願いします。そして、コロナ禍が終息の折には、皆さんが思いっ切り羽ばたき、活躍することを期待しています。一緒に頑張りましょう。以上で私からの挨拶の結びとします。