当社社長 長瀬洋による「2013年 年頭挨拶」を下記の通りご報告します。

あけましておめでとうございます。

新年をこうして皆さんと共に元気に迎えられることを、大変嬉しく思います。

昨年の世界経済は、中国経済の減速、欧州の緊縮財政の影響などもあり、後半に減速したまま、急回復は期待できそうにない状態が続いています。日本では、円高が続き、半導体、家電などが苦境に陥り、また、エコカー補助金の終了や尖閣諸島問題等による日中摩擦の影響もあり、自動車業界も打撃を被りました。政治の世界では、昨年は世界の主要な国々で首脳の交代があり、日本では第二次安倍内閣が誕生しました。年末から円安、株高が進んでいますが、今年こそは、新しい政府がリーダーシップを発揮して積極的、効果的な政策の実行が望まれるところです。

ナガセグループには、昨年2月に株式会社林原が仲間に加わりました。また、これまで100%子会社の長瀬カラーケミカル株式会社にて活動してきた繊維関連事業がオー・ジー株式会社の色材事業と統合し、オー・ジー長瀬カラーケミカル株式会社としてグローバルな展開へ新たなスタートを切りました。50%:50%の対等出資となりますが、ナガセグループのメンバーとしてこれからもサポートしていきます。海外でも、アメリカでエポキシ関連製造メーカーのEngineered Materials Systems Inc.が加わり、また、ブラジルには現地法人を設立しました。他にも現地法人の支店などの形で、中国やバングラデッシュなどに拠点が広がっています。一方、業績の面では、昨年は新しい中期経営計画 Change-S2014のスタートの年でしたが、後半の経済の落ち込みの影響もあり、厳しい内容となっています。2013年3月期の見通しは、数字だけを見ると一見順調に見えますが、期初の計画には大きく届かず、林原の新規連結などの特殊な要因を除くと、前年度よりも更に厳しい内容となりそうです。しかし、そういう中でも、我々は歩みを止める訳にはいきません。Change-S2014から使い始めた新しいセグメンテーションにおいては、皆さんがバリューチェーンとその中での役割を意識してそれぞれが協力してビジネスを創るという事を充分に理解し、活動してくれていると感じています。さまざまな場面で、セグメント同士や、地域間での協業が進んでいると感じられます。また、海外の拠点で、現地のスタッフの皆さんの意識がこれまでより更に高まっており、現地の皆さんからの事業提案がどんどん出てきている事は大変うれしい事です。

話が変わりますが、昨年の役員の研修会で、「投資の質の向上」という事を考えてもらいました。当り前のことですが、投資はそれ自体が目的ではなく、良質な事業を創る為の一つの手段です。最近は、投資案件も増えてきて、皆さんの積極的な姿勢が伺える事は大変結構な事です。しかし、一方で投資に対する考えがやや安易なものも出てきて、いくつかの採算性の悪いケースも見られるようになってきました。そこで、投資の発案の時と、投資後のフォローアップの為のガイドラインを作成しました。これは皆さんからの提案を抑えるためではなく、事業の成功の確率を上げる為の事前の調査、分析、準備など、また投資実行後のレビューにより事業の方向性をタイムリーに見直すことを含む、皆さんの為のガイドラインです。あくまで皆さんが投資を実行することをサポートするためのものであり、是非皆さんの事業の創造に役立てて欲しいと思います。今年、中期経営計画は2年目に入ります。この中期経営計画では、『これまでやってきた事をそのまま続けていたのでは到底達成できない』という目標を掲げました。事業環境が厳しい中ではありますが、これまでと違う事をやろうとしていた、その事が本当に出来ているか、もう一度検証してみて欲しいと思います。やると決めた事をやり続けていれば、必ず結果は付いてきます。

最後に、今年一年が災いの無い年になるよう、そして皆さんと御家族が健康で幸せに過されるようお祈りして、私の新年の言葉といたします。

以上