新入社員の皆さん、長瀬産業、NAGASEグループ各社への入社、誠におめでとうございます。満開の桜のもと、今日WEB参加も含め、85名の新しい社員をお迎えすることができ、大変嬉しく思っています。また、近い将来、皆さんと話をし、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

今、世界は激動の最中にあります。ウクライナ問題、コロナ禍だけではありません。環境への意識の高まり、DXによる生産効率の向上、そして、皆さんにも直接関係する働き方の変化など、これまで当たり前だったことが過去の常識となり、猛スピードでニューノーマルが形成されつつあります。その中で我々NAGASEグループも外部環境の変化に翻弄されることなく、自ら変革を進めてサステナブルでグローバルな企業になるべく、日々国内外で活動しています。

2021年度、グループ全体として営業利益350億円と見通しを公表しておりますが、これを達成すると過去最高の業績となります。これはコロナによる様々な制限をものともせず、グループ内約7300名の社員全員が賢明に課題解決に取り組んだ結果であり、私自身誇りに思っています。しかしながら、先ほど触れた変革が順調に進んでいるかというと、残念ながら未だ道半ばというのが実態です。変革無くして未来無しです。足元の好業績に驕ることなく、それぞれの組織が変革に向けての施策をブレずに推進することが重要です。

新入社員の皆さん、今日からは皆さんもこの急ピッチで変革が進むNAGASEグループの一員です。いろいろな思いを胸に今日出社したことと思いますが、ワクワクしませんか?まずは会社を知ることから始め、一日も早く配属先の組織における変革のドライバーとなって下さい。期待しています。

NAGASEグループには「誠実に正道を歩む」という創業以来大切にしてきた理念があります。今日、社会人としてのDAY1、皆さんがこの言葉をどのように受け止めるかは問いません。ただこのグループ理念「誠実に正道を歩む」については今日このあと何度か復唱し、しっかりと胸に刻むようにして下さい。

この理念のもと、先人の方々のたゆまない努力のお蔭で、NAGASEグループは着実に成長を遂げ、今年創業190周年を迎えます。そして今、この難しい環境下にあっても、我々は2032年の200周年、そしてその先に向け成長の歩みを止めるわけにはいきません。新しいことへの挑戦に制限はありません。新入社員の皆さんも、今後配属されるそれぞれの組織において、ガンガン新しいことに挑んでください。そうすることで、皆さんがグループ全体の変革のドライバーとなっていくことは間違いないでしょう。

サステナビリティについて既にいろいろと勉強しているかと思います。持続可能性と訳されますが、NAGASEグループにおいても変革に向けての重要なキーワードとなっています。特に今年は全社スローガンを「Green it!」として、全社員へのサステナビリティ意識の浸透を図っています。皆さんもサステナビリティを自分事として意識するよう心掛けて下さい。

これまで企業活動の目的は主として収益を上げることに留まっていましたが、今ではそうした経済価値の向上と合わせ、社会的価値を高めることが求められています。サステナビリティの推進がその大きな柱であることは言うまでもなく、既にグループ内製造部門を中心としたカーボンニュートラルに向けた取り組みなどがスタートしています。現在グループ内各社、事業部、組織がそれぞれサステナビリティを意識した戦略、施策を立案し、推進しています。是非皆さんも積極的に関わるよう努めて下さい。

さて既に恒例となっていますが、ここで新入社員の皆さんに今後大事にしてほしい言葉を三つ贈りたいと思います。

一つ目はPRIDEです。皆さんは既に二十数年の歴史があります。家族や仲間と培ってきたこれまでの人生を大事にして下さい。そして今日からは社会人、NAGASEグループの一員です。自分自身に対するPRIDE、NAGASEの一員としてのPRIDE、この両方をしっかり持って日々活動して下さい。

二つ目、それはCOMMUNICATIONです。コミュニケーションとは相手に思いが正確に伝わることで初めて成立します。正しい言葉で相手に思いを伝えることは思いのほか難しいことで、ましてや相手が取引先や上司であれば尚更です。メール、SNSなど様々なツールがありますが、まず一番大事なのは自分の言葉でCOMMUNICATIONすることです。しっかりと相手の目を見てCOMMUNICATIONすることを心がけ、大事にしてください。
加えて現在NAGASEグループではエンゲージメント向上の一環として、双方向コミュニケーションの推進を図っています。相手の話を聞く姿勢も大事であるという点も付け加えておきます。

三つ目はRESPECTです。社会人となった今、皆さんは人としての品格が問われます。嘘をつく、欺く、不正を働く、これらが自らの品格を落とすことは言うに及びません。新入社員の皆さんには、それだけではなく、上から目線で人を見る、高圧的な態度で人と接する、人の失敗をあざ笑う、こうしたことが人としての品格を損なってしまうということを伝えたいと思います。関わる全ての人を大事に思うこと、即ちRESPECTは必ず皆さんの品格形成に役立つことでしょう。

さて、長瀬産業に所属する視覚障害を持つパラアスリート、和田伸也選手が昨年の東京2020パラリンピック競技大会 陸上トラック競技の1500m (T11)で銀メダル、5000m(T11)で銅メダルを獲得しました。なんと彼はその後、「第70回記念別府大分毎日マラソン大会」で2時間26分17秒という世界記録(T11)を樹立しました。障害にも負けず不断の努力を重ねて記録を伸ばし続ける彼の姿勢を見て、社員は皆感銘を受け、その結果素晴らしい一体感を生んでいます。

今日この入社式に参加している85名は、今後20年、30年経っても同期です。生涯を通じた掛け替えのない仲間になります。私も44年前の今日一緒にNAGASEに入社した仲間と今も交流を続けています。ある時は相談相手、ある時は支え、そしてある時はライバルにもなるでしょうが、是非とも同期との絆を大事にしてもらえればと思います。

皆さん、改めまして入社おめでとうございます。NAGASEグループは素晴らしい企業集団です。皆さんの成長に合わせ、必ず生きがいを持って仕事ができる環境を提供します。皆さんが日々研鑽を重ね、一日も早く世界各地で活躍する日がくることを心から祈っています。

最後になりますが、コロナの感染拡大はまだまだ続きます。決して緩まず、社会人としての自覚を持って行動するようお願いします。一緒に頑張りましょう。

以上で私からの挨拶の結びとします。

2022年4月1日
朝倉研二