当社社長 長瀬洋による「2014年 年頭挨拶」を下記の通りご報告します。

あけましておめでとうございます。

新年をこうして皆さんと共に元気に迎えられることを、大変嬉しく思います。

昨年は安倍政権の大胆な政策により、日本の経済がこれまでに無いほど大きく変わった年となりました。円安、株高が続き、当初はムードだけに見えた、いわゆるアベノミクスの効果が最近では中小企業にまで拡がってきています。政治が経済をはじめあらゆる場面で大きな影響を及ぼしており、この「政治の年」は今年も続くでしょう。世界でもアメリカを始め各地で資金が巷に溢れ、バブルの不安要因をはらみながらも明るい雰囲気となっています。

その一方、ナガセグループは、どうもこの大きな波に乗りきれていないのではないかという懸念を私は抱いています。第2四半期(上期)の業績は見かけは良い数字に見えますが、円の下落を考慮すると実質的には減収減益です。中期経営計画 「Change-S2014」の2年目の今期の業績予想は期首の計画に大きく届かず、この状態が続けば最終年度の目標である営業利益300億円には全く届きそうにありません。また、売上が伸びている部分は海外で、国内は減収となっており、海外の売上比率は全体のほぼ半分にまでなってきました。関連する業界も各社利益を伸ばしている中で、我々だけが置いて行かれている感があります。

今年は先ず皆さんに、冷静に何が起こっているのかを分析していただきたいと思います。顧客がビジネスを伸ばしていて、ナガセからの売上が伸びていないということは、顧客の注力しているところに関われていないのではないのか?我々は、製造機能を強化することにより、商社機能と融合させたユニークなビジネスモデルを造ろうとしています。我々の持ち味は、取引先が驚くような提案力、ナガセは何をするかわからないと言われるほどの行動力と、なにがなんでも仕事をモノにする粘り強さだったはずです。最近、ナガセの人はスマートになったと言われますが、本来の持ち味が薄れてきているのではないかと懸念しています。結局、顧客の抱えている問題を捕まえるのは、圧倒的な信頼感を日頃の付き合いの中で醸成し、新たな提案をすることによって、新たなビジネスの領域に気づき、そこに新たな商売が始まる、そういった基本的なサイクルがどこかで切れてしまっているのではないかと感じています。中期計画「Change-S2014」はこれまでとは違うことを違うやり方でやろうという事だったはずです。それは我々が長年培ってきた事業基盤をしっかりとさせつつ、その上にこれまでとは違うことを違うやり方でやるということです。それはどんな事だったのか、今の時点で、何ができていて、何が足らなくなってきたのか考えてほしいと思います。

これまで私は、計画や業績の数字にはあまりこだわらないできました。それは、本当に仕事の中身が変わることが重要であり、やるべきことがしっかりと出来ていれば結果として業績はついてくると思っているからです。しかし、今年は数字にこだわっていきます。皆さんも、もっともっと数字に執着してもらいたいと思います。そして何より商社部門の皆さんにはマーケティング力、販売力、取引先のニーズを把握する力を強め、またメーカー部門の皆さんには新規開発力、探究心、合理化や安全へのこだわりなど、一言でいえば『現場力』を強化していただきたいと思います。新年には、大きな危機感を持って臨み、必ずこれを克服していく気概を持って今年をスタートしてください。

最後に、今年一年が我々の成長が実感できる年になるよう、そして皆さんと御家族が健康で幸せに過ごされるようお祈りして、私の新年の言葉といたします。

以上