当社社長 朝倉研二による「2017年 年頭挨拶要旨」を下記の通りご報告します。

 長瀬産業、NAGASEグループの皆さん、明けましておめでとうございます。
皆さんがそれぞれの目標、夢に向け強い思いを胸に新しい年を迎えたことと思います。2017年、鳥のごとく羽ばたく年です。会社、そして皆さんにとって実り多き、また幸多き一年となることを祈っています。

昨年は驚きの連続でした。皆さんもすぐにいくつかを思い出すことができるでしょう。今更ここでその一つひとつを並べ立てるつもりはありません。ただ、我々が驚いたたくさんの事柄が、政治、経済など、我々を取り巻くすべての環境になお一層の不確実性、不透明性をもたらした、ということを心に留めなければならないと思っています。世界の安寧を揺るがすようなことが、いつ、どこで起こるかわかりません。そしてそのような地政学的なリスクのもと、日本、そして世界全体における経済活動も、その前提条件を考え直さねばならなくなった、そんな2016年だったのではないでしょうか。

NAGASEグループ全体の業績は、ナガセケムテックスを始めとするメーカー部門の大幅な改善や伸び、また11月以降の円安も寄与しています。引き続き、目標達成、またそれ以上を目指してください。

さて、そんな中、当社は5カ年の中期経営計画ACE-2020をスタートさせました。「収益構造の変革」「企業風土の変革」、この2つの変革を柱としてスタートした中期経営計画ですが、早くもこの3月にその一年目を終えます。皆さん手応えはどうでしょうか?これほどまでに不確実性が増す中、ACEのA、即ち主体性を持った新たな取り組み、またこれまでにはなかった新しい視点に立った事業構築は、5年後、10年後に向けたNAGASEグループの成長に不可欠です。この一年、皆さんは、そして皆さんの組織はこのような取り組みを始めることができたでしょうか?

たいへん嬉しいことに、多くの組織がACEの意味を良く理解し、共有し、新たな取り組みに挑んでくれています。新しい事業を創っていこうという取り組みです。そう簡単に結果が出るわけではありません。しかし、そのような新しい取り組みは組織を活性化させ、必ず成長のためのエンジンとなっていきます。二年目の今年も自信を持って、強力にその取り組みを進化させてもらいたいと思います。

一方、残念ながら、未だに過去やしがらみに捉われ、なかなか新たな取り組みにチャレンジできないでいる組織もあります。周りの環境は間違いなく劇的に変化しています。その中で、これまでと同じことをやっていたのでは、たとえそれが忙しい毎日であったとしても業績は伸びません。まだ間に合います。できていない、まだまだ足りない、と思うグループや組織は、ぜひ失敗を恐れずに、新たな取り組みをスタートさせて下さい。

NAGASEビジョンの中に「見つけ、育み、拡げる」という言葉があります。各人各様にこの言葉を受け止め、咀嚼していることと思いますが、もし新たな取り組みで悩んでいる組織、また人がいたら、今年はこの中の「見つけ」を徹底的に議論、追求してみてください。市場、製品、技術、そして商権など、色々な「見つけ」を議論し、究めていけば、何か新しい取り組みへの糸口が見えてくるはずです。

会社全体としては「企業風土の変革」という側面においても多くのことに取り組んでいます。既に今期より、各方面における権限の委譲を実行しています。これらは全てNAGASEグループの中に「主体性」、「責任感」を醸成すること、また、経営の効率を高めるための施策であり、間違いなく「企業風土の変革」に結びつくものであります。皆さんの理解、積極的な取り組みをお願いします。
「働き方の多様化」、これもグループ全体の重要課題として認識しています。単に残業時間を減らす、ということだけに留まらず、会社として皆さんにどのような働く環境を提供していけるのか、これを検討するよう関係部署に指示しています。これも「企業風土の変革」の柱になっていくでしょう。

今日はもう一つだけ昨今感じていることをお話します。皆さんは何か危機感を持っていますか?私がこのところ持っている危機感は、世の中の変化のスピードに対しての危機感です。NAGASEグループは様々な変化のスピードに対応できているのでしょうか?IT技術の目覚ましい発展により、あらゆる変化のスピードは過去とは比べものにならない速さとなり、それがまた日々加速しています。車の自動運転の実用化がこんなにも早いスピードで進むと5年前に想像できたでしょうか?今やロケットの商用運行もすぐ先の話になってきました。あらゆる世界でこのような変化が生じています。油断していたら、すぐに周回遅れとなってしまう、次の世代にたすきをつなげなくなってしまうのではないか、そんな危機感を私は抱いています。

このような思いもあり、今年、私は「SPEED-UP」という言葉を掲げます。昨年は「ONE STEP FORWARD」でした。本当に多くの人たちがこれを意識し活動してくれました。ありがとうございます。これからも忘れずに意識してください。今年は「SPEED-UP」です。決して拙速を促すようなものではありません。あらゆる活動において時間軸を意識し、少しでも早めようとすることを期待しています。結果としてそれぞれのPDCAサイクルがぐっと早くなれば、我々も世の中の変化と同調し、また先んじて変化していけるものと確信しています。

私自身は今年も「全員参加」、「現場」を大事にし、なるべく多くの皆さんとお話できればと思っています。いろいろなところにお邪魔しますのでどうぞ宜しくお願いします。

最後になりますが、NAGASEグループの皆さん、そしてご家族が一年を通し健康で平和に過ごされますことを心より祈念し、年頭の挨拶といたします。