当社社長 朝倉研二による「2018年 年頭挨拶要旨」を下記の通りご報告します。

長瀬産業、そしてグループ社員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。一週間足らずの休暇でしたが、心身ともにリフレッシュし、元気に新しい年を迎えたことと思います。2018年が、会社にとって、皆さんにとって、そして世界全体にとって、平和で健やかで、実りの多い年となることを祈っています。

既に多くの皆さんが承知のことと思いますが、昨年NAGASEグループの業績は、当初計画を大きく上回るレベルで推移しました。2017年度は、売上高、利益共に過去最高となる見通しです。景気や為替などの外部環境に後押しされた部分もありますが、何といっても国内外のグループ全社員の、業績に対するこだわり、そして頑張りのたまものであることに間違いありません。すべての事業セグメント、管理部門、海外現地法人、関係会社の皆さんに心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

一方、国内外の情勢に目を向けると、昨年は国家、企業、そして個々人の品格、品質が問われた一年でした。我々はこれらのことを、他人事で済ませてはいけないと思います。自分たちへの警鐘と捉えなければなりません。幸い業績も良く、ともすれば緩みがちな今、この年の初めに、改めて「誠実に正道を歩む」というグループ経営理念の一節を思い起こし、全員で襟を正さねばと考えています。

コンプライアンス遵守は当たり前のことですが、加えて2015年に制定されたコーポレートガバナンス・コードやESGへの対応など、今、株主、市場そして投資家などの企業を見る目が大きく変化していることを意識しなければなりません。今年は、企業として、いかに社会に貢献するか、できるか、ということをNAGASEグループなりに考える年となります。是非心に留めておいてください。

さて、中期経営計画「ACE-2020」についてです。早くも2年が経とうとしています。皆さん、自分、もしくは自分が所属する組織が、このACE-2020達成に向け、今、一番にやらねばならない事、力を注がねばならない事が何であるか、ハッキリしていますか?明確になっていますか?

「収益構造の変革」「企業風土の変革」という大きな柱のもとに、会社としての重要施策があるわけですが、皆さんが所属する組織にもそれぞれの施策があり、既にこの2年間、その施策のもとでさまざまな活動をしてもらっています。上手くいっているところ、いっていないところ、実績につながっているところ、まちまちであります。

大事なのはPDCAです。2年が経過した今、自分たちのPLANがどうだったか、DO=すなわち活動が的確に、タイムリーに行えていたのか、ということをCHECKし、もともとのPLANを見直すことを全組織に求めています。そのままも良し、修正も良し、止めるも良し、そして新たに何かを加えるも良しです。この見直しの作業に関わるすべての人が参加し、その結果を共有することがとても重要だと思っています。そして、より現実的な、活き活きとしたPLANをもってACE-2020の後半に挑んで欲しいと思います。

2017年は社内でのACE-2020の浸透度が間違いなく上がったこと、そして米国のFitzChem corp.や大泰化工株式会社の子会社化など、徐々にですが新たな施策が業績に結び付き始めました。一方、まだまだ多くの部署において、重要施策の進捗度合いが低い点、そして効率化の追求が思うように進んでいない点などは今後の課題と捉えています。これまで何度もお話ししてきましたが、たとえ現在好調であるとしても、今ある事業に注力するだけでは、会社の成長は鈍化し、いずれは衰退の道をたどります。長瀬産業は185年の歴史の中で、幾度となく事業の入れ替えを行いつつ、新たな事業、ビジネスモデルを構築して現在に至っています。そして今、それぞれの施策を実行することで、猛スピードで変化する環境に呼応する新たな事業をいち早く、「見つけ、育み、拡げる」ことが我々に求められている課題だ、ということを再度強調したいと思います。

ACE-2020は14年後の創業200周年に向けた長期経営方針の中の1stステージ「変革期」と位置付けられています。全体としては間違いなく目指す方向に進みつつあります。しかし未だ道半ばです。緩まず、ぶれずにそれぞれの施策が遂行されることを期待しています。

“ONE STEP FORWARD”、”SPEED-UP”と年の初めに一年間意識して欲しい言葉を示してきました。今年は”RAISE THE BAR”という言葉を掲げます。

より高い目標を持とう、目指そう、という意味と併せ、皆さんに日々「次は」という意識を持って欲しい、ひとところに停滞して欲しくない、という想いを込めています。一年間様々な場面で意識してもらえたら嬉しく思います。

私は今年も国内外の現場をたくさん回る予定です。是非気軽に、そして遠慮なくいろいろな意見を聞かせて下さい。宜しくお願いします。

結びとなりますが、NAGASEグループの皆さんとそのご家族が、健康で笑顔に満ちた一年を過ごされることを改めて祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。