朝倉研二 代表取締役社長によるグループ社員向け年頭挨拶を下記のとおりお知らせいたします。

長瀬産業ならびに国内外のグループ各社の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
今なお続くコロナ禍でありますが、こうして元気に、皆さんと一緒に2022年を迎えることができ大変嬉しく思っています。皆さんにとって健康で希望に満ちた年となることをお祈りしています。

昨年はコロナに始まり、コロナで終わった、とも言える一年でした。グループ内でも社員が罹患し、隔離生活など苦しい対応を余儀なくされることとなりました。罹患された皆さん、そしてそのご家族や関係する皆さんに心よりお見舞い申し上げ、一日も早い回復をお祈りいたします。また、グループ内各社の管理部門において、通報、消毒などの一連の対応をしてくれている皆さんに、この場を借りて改めて感謝の意を表させて頂きます。

厳しく、チャレンジングな一年でしたが、NAGASEグループは昨年もまた大きく変革し、成長を遂げることができました。
業績面では各セグメントが共に前年を上回る実績をあげ、上半期にはグループ連結実績として過去最高を達成することができました。樹脂原料に関わる部署、地域は好調を維持し、実績への貢献度は非常に大きいものがあります。グループの多くも業容を大きく拡大し、それぞれ過去最高の実績を残しています。残すところあと3ヶ月ですが、通期でもグループ全社で過去最高レベルを目指したいと思っています。

昨年4月に「質の追求」を掲げる中期経営計画ACE 2.0がスタートしましたが、各組織において新しいモデル、新しい技術、新しい領域、などへの取り組みが積極的に展開され、それぞれが一歩ずつ前に進み始めました。サプライチェーンにおけるCO2の可視化や、未病への取り組み、また、NBT(NAGASEバイオテック室)といったバイオをキーワードとした社内横断組織の新設など、まだたくさんありますが、これらの取り組み全てが将来のグループの成長の原動力になるものと確信しています。

働き方も大きく変わりました。当初は手探り状態だったオフィスと在宅のハイブリッドワークが、もはや当たり前のものとなり、日に日に効率も良くなってきているようです。加えてCRMや名刺管理ソフトの本格導入で全社レベルでの情報の共有が進み、社員一人一人の活動の「質」が向上しつつあるのではないでしょうか。
海外渡航はもとより様々な制約がある中で、品不足、物流難などに直面しつつも、このような変革、成長が進んだのはグループ社員全員の「ACE 2.0」への意識、理解があってこそだと思います。まさに「全員参加」の賜物であり、心強く思っています。

今、働き方の変化について触れましたが、東京本社ビル建て替えプロジェクトについてお話します。このプロジェクトはただ立派な、カッコいい建物を創り上げようというプロジェクトではありません。NAGASEグループの未来の働き方を徹底的に論じ、社員一人一人が尊重し合い、関わり合いつつ、新たな価値創造を推進する、そんなわくわく感たっぷりなワークプレイスを創り上げよう、というグループ全体に関わるBIGプロジェクトです。大阪、名古屋に勤務する皆さんやグループ関連会社の皆さんも未来の働き方について一緒に考え、意見を発信してほしいと思っています。全員参加で盛り上げるつもりですので、皆さんよろしくお願いします。
因みに、この場で新年祝賀式を行うのも今年が最後になります。若干の寂しさはありますが、やはり新しい場所での開催が楽しみでなりません。

さて、2022年我々を取り巻く環境は予断を許しません。

ウクライナ、台湾などが注目されていますが、米国、中国、ロシアの覇権争いは尚一層の世界経済の分断を招くでしょう。世界各地にネットワークを広げる我々は、関わる業界におけるサプライチェーンを注意深くウォッチし、想定し得る有事に備えなければなりません。
原料高、エネルギーコストの上昇は特にグループ内のメーカー部門の収益に大きく影響を及ぼし始めています。生産工程の合理化、効率化は待ったなしです。タイムリーな施策を立て、実行しなければ、たちどころに競争力の低下につながります。足元の好業績をもたらしている、取り扱い製品の需給バランス、価格の高止まりについても、在庫調整など反転曲面に向けての施策をスピーディーに打たなければ、大きなリスクに直面することになってしまいます。

こういった懸念材料は多いものの、幸いにして経済全般で見れば、今年も旺盛な需要を背景に着実な成長が見込まれています。エレクトロニクス、生活関連、自動車、フード等我々に関わるマーケットでは更なる成長、拡大が期待されます。

コロナについては、今現在再び感染拡大傾向にある中、多少楽観的に過ぎるかもしれませんが、治療薬の認可もあり、私自身は、3年目となる今年の後半には収束に向かうものと考えています。

このような環境にあって、我々は今年、「ACE 2.0」の2年目を迎え、しっかりとその施策を推進しなければなりません。昨年「BE READY!」のスローガンのもと、ニューノーマルへの備えは完了しています。芽吹いてきた多種多彩の取り組みを、しっかりと根付かせ、事業化、実績化に近づける一年としてください。足元の業績に惑うことなく、各組織がブレずに、自信をもってそれぞれの施策を遂行することを期待しています。私自身そのための協力は惜しみません。

その中において、サステナビリティが一つのキーワードとなることは間違いありません。企業活動における様々な経営判断の場において、サステナビリティが重要な要素となっていることは既に皆さんご承知のことでしょう。NAGASEグループでは私自身が旗振り役となって活動を積極的に進めており、昨年にはグループ全体に関わるプロジェクトとして「カーボンニュートラルプロジェクト」と「従業員エンゲージメント向上プロジェクト」を立ち上げました。サステナビリティはこの先長い年月にわたり継続するものであり、これら二つのプロジェクトも同様です。気の遠くなるような先の話かもしれません。綺麗ごとに見えてしまうこともあるかもしれません。「それ儲かるの?」と疑問を持つこともあるでしょう。それでも私はこれらのプロジェクトをしっかり進めることで、従業員全員がサステナビリティを身近に感じ、考えるようになることを期待しています。
経済合理性とのバランスが問われることは承知の上です。その時々で然るべき判断をしていかなければなりません。それでも今年NAGASEグループはサステナビリティへの取り組みを更に強化する予定です。皆さんも様々なプロジェクトやテーマに接し、関わることになると思います。是非自分事として積極的に参加、協力することをお願いします。

ということで、今年のスローガンはサステナビリティに関係する言葉を選びました。

Green it!」です。これは何も環境に関わる事だけを言っているのではありません。皆さんがそれぞれに、この言葉にサステナビリティに関わるいろいろな意味をもたせて使ってくれればそれでOKです。組織や個人個人が活動する時、また何かを決める時、そんな時々に「Green it!」が頭をよぎったり、また口にしたりしたら、NAGASEのサステナビリティがより具体的なものになってくるのではないでしょうか。一年を通じ「Green it!」、よろしくお願いします。

まだしばらく、感染拡大防止のための制限が続きます。今年も集うことの喜びは我慢しなければなりません。その代わり、というわけでもありませんが、私からは様々な発信をこれまで以上にしていこうと思っています。少しでも多く現場の皆さんとコミュニケーションがとれるよう努めるつもりですので、是非ご協力の程お願いします。

結びとなりますが、全従業員の皆さん、並びにご家族にとって、健康で実り多き一年となりますこと、そして一日も早く世界中の人々に安心で平和な日が来ることを祈念して、2022年、年頭の挨拶といたします。

2022年1月4日
朝倉研二