NAGASEの提供価値

重要な経営資源

重要な経営資源

財務資本

NAGASEグループは、多様な資金ニーズに応えることのできる十分な財務資本を有しています。具体的には、運転資金、設備投資、M&A、DXなどへの新規成長投資といった資金需要に応えるべく、安定的かつ機動的な資金の確保が重要であると考えています。主な資本の財源は、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、資金調達手段として金融機関からの借入の実施、社債並びにコマーシャル・ペーパーの機動的な発行による資本市場からの調達などであり、多様化を図りながらバランスの良い調達を行っています。

また、新中期経営計画「ACE 2.0」では資本効率性の追求を掲げ、これに取り組んでいます。具体的には、持続的な成⾧及びポートフォリオの改善によりキャッシュ・フローを創出し、財務健全性を確保した上で新たな成⾧に向けた新規事業投資・研究開発投資等への積極的な資金配分を実施します。

生産性の向上に向けたグループ横断的な機能も有しており、2017年に発足した長瀬ビジネスエキスパート(株)はその好例です。

詳細は「CFO Message」をご覧ください

長瀬ビジネスエキスパート(株)

グループ各社の生産性、収益性向上を支援

シェアードサービスカンパニーである長瀬ビジネスエキスパート(株)は、グループ各社の物流・貿易・給与計算・出納・与信管理・総務・決算・税務などの間接業務の標準化と効率化により生産性を高め、収益性の向上に貢献しています。また、グループを支える人財育成も担っています。今後も間接部門の一層の効率化とガバナンスの向上、人財育成の面で、グループの持続的成長に貢献します。

発足:2017年 従業員数:約240名 (2021年3月期)

人的資本

NAGASEグループには豊富な人的資本が存在します。グループ全体の従業員数は6,940名であり、そのうちの3,139名が海外に在住しています。「変革を推進する人財の強化」と「コンプライアンス強化」の両側面から強い組織づくりを目指しています

人財は持続的成長の源泉であり、新中期経営計画「ACE2.0」に掲げる企業風土の変革においても、「変革を推進する人財の強化」を謳っています。具体的には「社員と会社の持続的な成長と発展」を実現すべく、変革をリードするイノベーティブでグローバルな人財の育成、快適・安全で創造性の上がるワークプレイスや働き方を推進することにより挑戦をサポートし、多様な個性を受容する文化と風土を創り上げ、社員のエンゲージメントを向上させていきます。

また、人財の力を維持・向上させていく上では、社員の人格・個性を尊重するなど人権への配慮が大前提であると捉えています。それゆえNAGASEグループでは「コンプライアンス行動基準」を公開し、国内外を含めた全グループ社員への浸透を図るべく、コンプライアンス研修も随時実施しています。

知的資本

NAGASEグループの知的財産は、化学のみならず、エレクトロニクス、自動車やヘルスケアなど様々な分野に及んでいるところにその特徴があります。また、商社として企業や大学など様々なパートナーと共同で特許を出願することが多いのも、グループの知的財産の特徴といえます。NAGASEグループでは、総合力を結集し、新規事業創出のため、マーケティング活動に基づく新技術・新製品の開発と技術情報の提供を目的に研究開発活動を行っています。こうした知の結集を加速させることが知的資本の充実につながり、イノベーティブな事業活動を生み出す源泉となっています。

ナガセR&Dセンター

バイオの知見を最先端技術と融合

ナガセR&Dセンターでは、バイオテクノロジー分野の研究開発を通じて、人々の健康や環境問題の解決など、社会貢献につながる新たな価値創出を目指しています。また同センターでは“Unavailable Made Available in a Sustainable Way”を理念として掲げており、バイオ技術を活用したプロセスイノベーションを起こすことを目指しています。NAGASEグループのバイオ関連事業を研究段階から推進するため、グループ各社の研究員約250名とも連携しており、ナガセR&Dセンターの技術に各組織のマーケティング力、(株)林原、ナガセケムテックス(株)の製品開発力・製造機能の活用を通じた新規酵素やバイオケミカルの開発に取り組んでいます。

グループの知を結集・連携した開発事例

・エイジングケア効果が期待される「トレハンジェリン」の発酵生産
・長寿ビタミンといわれる「エルゴチオネイン」の発酵生産

設立:1990年 所在地:兵庫県神戸市

ナガセアプリケーションワークショップ(NAW)

イノベーションの場をお客様に提供

NAWは、プラスチックとコーティングのオープンイノベーションラボです。ここでは、NAGASEグループのお客様にとって頼れる開発パートナーとして、ユニークな新技術や新素材の評価・分析、新規用途開発などを推進し、プラスチックとコーティングの分野で、機能性・意匠性を追求し続けています。オープンラボ機能の充実化に加え、グループ内のラボ機能のグローバル連携を目指し、ナガセケムテックス(株)、(株)林原や米国Interfacial Consultants社等との国内外拠点間での情報共有や、日本、アジア、米国でのグローバル連携体制の構築に取り組んでいます。

グループの知を結集・連携した開発事例

・生分解性、バイオマス由来の各種コーティング剤、プラスチック材の開発
・顧客ニーズに対応したカラーデザイン提案

設立:2007年 所在地:兵庫県尼崎市

NVC(New Value Creation)室

将来のビジネスの核をつくる

NVC室は、NAGASEグループのイノベーションを推進し、事業部を横断したコラボレーションによって、5~10年先を見据えたビジネスの核を作る組織です。「ビッグデータから新しい価値を創造する」をスローガンに、材料、半導体、IoT、ヘルスケア分野でアイデアや戦略を立て、グループをリードしていきます。

取り組み事例

・マテリアルズ・インフォマティクス用SaaSサービス「TABRASA™(タブラサ)」の提供開始
詳細は「特集 未来を見据えた新たなビジネス」をご覧ください

・高速、低遅延なキー・サーチに特化したFPGA IPコア「Axonerve™」の開発及び5G国際キャリア向けの応用展開

設立:2017年

製造資本

NAGASEグループは、ナガセケムテックス(株)、(株)林原、Prinovaグループなど、グループ内に約60社の製造子会社を有しています。商社と製造の機能を掛け合わせることで、お客様に提供するソリューションの幅を広げています。

これらの製造資本はNAGASEグループにとって重要な経営資源であり、新中期経営計画「ACE 2.0」における収益構造の変革においても、製造業の生産性向上と技術革新による付加価値の拡大を通じて既存事業を強化していくことを掲げています。

また、2019年にはNAGASEグループ国内製造業各社の基盤強化に向けて「グループ製造業連携委員会」を発足させ、グループ内製造業の連携強化と生産性向上に取り組んでいます。

ナガセケムテックス(株)

化学で豊かな未来を築く

ナガセケムテックス(株)は、エレクトロニクスやバイオなど多領域で独創的な技術を持つ、NAGASEグループの中核製造子会社です。同社は合成技術・配合技術・バイオ技術をコアテクノロジーとして、世界初開発の素材や業界シェアNo.1の製品を創出しています。同社はこれからも、世界のお客様の要望に応えられる価値創製企業として、新技術・新製品の開発に挑戦し続けます。

機能樹脂

エポキシ樹脂接着剤・封止材(シート状・液状)

精密加工材料

フォトリソグラフィー用材料、3Dプリンター用樹脂、銀ナノインク

機能化学品

特殊エポキシ樹脂、透明導電性コーティング剤、低エンドトキシン材料

生化学品

食品用酵素、工業用酵素、リン脂質
写真提供:㈱アシックス

TOPICS/業界初となるスパイクレスシューズの完成に貢献

写真提供:㈱アシックス

(株)アシックスのスパイクピンのない陸上スプリントシューズ「METASPRINT(メタスプリント)」。このスパイクのソールにはナガセケムテックス(株)の熱可塑エポキシ樹脂の技術が活用されており、最先端のテクノロジーにより、0.01秒を争うスプリンターのパフォーマンスをサポートしています。

設立:1970年 所在地:大阪府大阪市
売上高:約260億円 従業員数:約590名(2021年3月期)

(株)林原

暮らしを彩るスマートバイオ

(株)林原は、NAGASEグループにおけるライフサイエンス分野の中核企業であり、食品・健康食品・パーソナルケア・医薬品・機能性色素などの素材を開発・提供しています。研ぎ澄まされた「バイオの力」で独創的な新素材開発に挑み続けており、世界市場での存在感を高めています。

食品素材

トレハ®、サンマルト®、プルラン

健康食品素材

林原ヘスペリジン®S、ファイバリクサ®、アスコフレッシュ®

パーソナルケア素材

AA2G®、トルナーレ®、アルファグルコシルヘスペリジン

医薬品素材

マルトースPH、トレハロースSG、ルミン®A

機能性色素

情報記録用色素、情報表示用色素、検査薬用色素

TOPICS/国際学術イベントへの協賛

総合科学雑誌『nature』主催のオンライン学術イベント「ネイチャー・カフェ-環境ストレスと食糧危機」に協賛しました。世界85カ国から360人以上の参加登録があり、イベント終了後には(株)林原の研究者と国内外の専門家によるカスタムセッションも実施しました。自社の重要課題の一つに「安定的な食料確保」を掲げる同社にとって、意義のあるイベントとなりました。

設立:1932年 所在地:岡山県岡山市
売上高:約240億円 従業員数:約670名(2021年3月期)

Prinova Group LLC

食品素材のグローバル展開

Prinovaグループは、北米、欧州を中心に食品素材販売、配合品製造及び最終製品の受託製造までを手掛けています。原材料の調達、配合とフレーバーに関する研究開発力や、スポーツニュートリション分野での経験とネットワークなどで高い優位性を持っています。今後はグループシナジーを加速させ、東南アジア市場での展開を目指しています。

Ingredients

ディストリビューション2,000品目以上の素材

Aromas

ディストリビューションアロマ、エッセンシャルオイルズ

Premixes & Solutions

配合品(Premix)・微細加工(OEM)飲料、タブレット、食品向けアプリケーション

Flavors

製造飲料、機能性食品向けアプリケーション

Armada

栄養食品開発、製造ソリューションスポーツニュートリション

TOPICS/グローバルサイトをリニューアル

2021年6月に約400種類のニュートリション(栄養素材)やアロマ(香料)などの素材情報を充実させたWebサイトを公開しました。今後もドイツ語やスペイン語などの多言語化を進めるほか、グローバルで機能を拡充することを予定しています。

Prinovaのコーポレートサイトはこちら(外部サイト)

創業:1978年 所在地:米国イリノイ州
売上高:約870億円 従業員数:約1,000名(2020年12月期)

グループ製造業連携委員会

国内製造業の基盤強化を担う

グループ製造業連携委員会(Group Manufacturers’ Collaboration Committee:MCC)の役割は、グループ内の製造会社を連携させ、各社の自立的な成長と、グループ全体の企業価値向上・持続的成長を促すことにあります。2021年3月期は委員会、事務局会、活動報告会等を開催。特に安全・品質・環境に関して共通したKPIを設定するため、MCC加盟全社(11社)で議論しました。2022年3月期は委員会・事務局メンバーを増員し、分科会の充実を図り、「安全衛生水準向上」、「品質向上」、「環境対応」及び製造業における「DX推進」など、様々な活動を通じてグループ製造業の連携を更に強化していきます。

TOPICS/アドバイザーを招聘し人財育成の取り組みを加速

長く製造業に従事し、経営者としての経験を有するアドバイザーを迎え、人財育成を目的とした様々な取り組みを企画・運営しています。MCC加盟各社の社員を対象とした座談会での意見交換や製造業をテーマとしたインタビュー動画をグループ社員を対象に定期的に公開するほか、製造拠点の視察や講演会開催なども計画しています。

社会・関係資本

多様なステークホルダーの皆様との強固な信頼関係こそが、NAGASEグループにとっての重要な社会・関係資本といえます。NAGASEグループでは幅広い事業領域でのグローバルな事業展開を行っており、拠点数は30カ国・地域で117社、お取引先企業の数は国内外で約18,000社にのぼります。

自然資本

NAGASEグループが今後もビジネスを持続させていく上で、地球環境が持続可能なものであることは大前提であると考えています。NAGASEグループではこうした自然資本を維持・充実させるべく、NAGASEグループ環境方針のもと、脱炭素社会、循環型社会の実現、汚染防止、生物多様性の保全、水の利用といった環境課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

統合報告書2021

一括ダウンロード

統合報告書2021 一括ダウンロード PDF(6.8MB)

分割ダウンロード

  • 編集方針・目次(345KB)

  • NAGASEグループの価値創造ストーリー(2.2MB)

    NAGASEグループの価値創造ストーリー全体像 | NAGASEグループの社会的な存在意義 | 価値創造の歴史 | NAGASEグループのビジネスモデル | 重要な経営資源 | NAGASEグループが直面するリスクと機会 | 特集 未来を見据えた新たなビジネス | NAGASEグループが取り組むサステナビリティ経営

  • Shaping Value “質”の追求(1.8MB)

    CEO Message/トップメッセージ | CFO Message/管理担当取締役メッセージ | 未来を見据えたビジネスモデルの進化 | Shaping Value 1 収益構造の変革 | Shaping Value 2 企業風土の変革 | Shaping Value 3 変革を支えるコーポレート機能

  • 事業ポートフォリオ(2.7MB)

    事業一覧 | 機能素材セグメント | 加工材料セグメント | 電子・エネルギーセグメント | モビリティセグメント | 生活関連セグメント | 地域別戦略

  • サステナビリティ経営(1.7MB)

    Our Board/役員紹介 | コーポレート・ガバナンス | 社外取締役インタビュー | コンプライアンス | リスクマネジメント、責任ある宣伝とマーケティング | 変革を推進する人財の強化 | 環境価値の創出 | 人権・労働、働きやすい職場環境づくり、責任あるサプライチェーン | 社会貢献活動

  • データ・セクション(667KB)

    11年間の主要財務データ | MD&A | 主なグループ会社・事業所一覧 | 株式情報 | 会社情報