NAGASEの提供価値
重要な経営資源
重要な経営資源
財務資本
NAGASEグループは、多様な資金ニーズに応えることのできる十分な財務資本を有しています。具体的には、運転資金、設備投資、M&A、DXなどへの新規成長投資といった資金需要に応えるべく、安定的かつ機動的な資金の確保が重要であると考えています。主な資本の財源は、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、資金調達手段として金融機関からの借入の実施、社債ならびにコマーシャル・ペーパーの機動的な発行による資本市場からの調達などで、多様化を図りながらバランスの良い調達を行っています。
なお、2022年1月に「NAGASEグループカーボンニュートラル宣言」を公表しています。カーボンニュートラルの達成、持続可能な社会の実現にファイナンスを活用することで実効性を高めるべく、サステナビリティ・リンク・ボンドによる資金調達も実行しています。

長瀬ビジネスエキスパート㈱
グループ各社の生産性、収益性向上を支援
シェアードサービスカンパニーである長瀬ビジネスエキスパート㈱は、グループ各社の物流・貿易・給与計算・出納・与信管理・総務・決算・税務などの間接業務の標準化と効率化により生産性を高め、収益性の向上に貢献しています。また、グループを支える人財育成も担っています。今後も間接部門の一層の効率化とガバナンスの向上、人財育成の面で、グループの持続的成長に貢献します。
発足:2017年 従業員数:約240名(2022年3月期)
人的資本
NAGASEグループには豊富な人的資本が存在します。グループ全体の従業員数は7,113名であり、そのうちの3,319名が海外に在籍しています。「変革を推進する人財の強化」と「コンプライアンス強化」の両側面から強い組織づくりを目指しています。
人財は持続的成長の源泉であり、ACE 2.0に掲げる企業風土の変革においても「変革を推進する人財の強化」を謳っています。その一例として、デジタル分野・マーケティング分野の変革を推進するため、専門人財が豊富な米国に「グローバルマーケティング部 フィラデルフィア(GMD-P)」を設置するなど、人財の適所適材配置を進めています。また、2021年からは従業員エンゲージメント向上プロジェクトを発足させ、「社員と会社の持続的な成長と発展」の実現に取り組んでいます。
人財の力を維持・向上させていく上では、社員の人格・個性を尊重するなど人権への配慮が大前提であると捉えています。それゆえNAGASEグループでは「コンプライアンス行動基準」を公開し、国内外を含めた全グループ社員への浸透を図るべく、コンプライアンス研修も随時実施しています。

知的資本
NAGASEグループの知的財産は、化学のみならず、エレクトロニクス、自動車やヘルスケアなど様々な分野に及んでいるところにその特徴があります。また、商社として企業や大学など様々なパートナーと共同で特許を出願することが多いのも、グループの知的財産の特徴といえます。NAGASEグループでは、総合力を結集し、新規事業創出のため、マーケティング活動に基づく新技術・新製品の開発と技術情報の提供を目的に研究開発活動を行っています。こうした知の結集を加速させることが知的資本の充実につながり、イノベーティブな事業活動を生み出す源泉となっています。
ナガセバイオイノベーションセンター(旧 ナガセR&Dセンター)

バイオの知見と技術でイノベーション創出
ナガセバイオイノベーションセンターでは、バイオテクノロジー分野の研究開発を通じて、人々の健康や環境問題の解決など、社会貢献につながる新たな価値創出を目指しています。環境に優しい生産プロセスを可能にするバイオ技術は、幅広い産業分野での利用に期待されています。同センターではバイオ関連技術を有するグループ会社や関連組織と連携し、企画、研究・開発を一体的に進めることで、グループ全体のバイオイノベーションを推進していきます。ACE 2.0では、独自の放線菌による物質生産技術N-STePP®の深耕に加え、新たな物質生産プラットフォーム技術の拡充を目指しています。
グループの知を結集・連携した開発事例
・エイジングケア効果が期待される「トレハンジェリン」の発酵生産
・長寿ビタミンといわれる「エルゴチオネイン」の発酵生産
・サプリ・医薬用途が期待される希少糖「D-セドヘプツロース」の発酵生産
設立:1990年 所在地:兵庫県神戸市
ナガセアプリケーションワークショップ(NAW)

コラボレーションの場をお客様に提供
NAWは、プラスチックとコーティングのオープンイノベーションラボです。NAGASEグループのお客様にとって頼れる開発パートナーとして、ユニークな新技術や新素材の評価・ 分析、新規用途開発などを推進し、プラスチックとコーティングの分野で機能性・意匠性を追求し、環境対応型材料の開発に注力しています。 オープンラボ機能の充実化に加え、グループ内のラボ機能のグローバル連携を目指し、ナガセケムテックス㈱、㈱林原や米国Interfacial Consultants社等との国内外拠点間での情報共有や、日本、アジア、米国でのグローバル連携体制の構築に取り組んでいます。
グループの知を結集・連携した開発事例
・生分解性、バイオマス由来の各種コーティング剤、プラスチック材の開発
・顧客ニーズに対応したカラーデザイン提案
設立:2007年 所在地:兵庫県尼崎市
NVC(New Value Creation)室
将来のビジネスの核をつくる
NVC室は、NAGASEグループのイノベーションを推進し、事業部を横断したコラボレーションによって、5~10年先を見据えたビジネスの核を作る組織です。「ビッグデータから新しい価値を創造する」をスローガンに、材料、半導体、IoT、ヘルスケア分野で戦略を立て、グループをリードしていきます。
グループの知を結集・連携した開発事例
・「TABRASA®(タブラサ)」を中心としたマテリアルズ・インフォマティクス用SaaSサービスを複数顧客にビジネス展開
・5G国際キャリア向けの応用展開に向け、北米パートナーと開発継続。
また、書き換え可能な半導体のFPGAをプラットフォームに、大規模クラウドで利用の多いデータベース検索ミドルウェア“Redis”の高速化ソリューションに応用展開、クラウドエンジニア向けにプロモーションを開始。
設立:2017年
製造資本
NAGASEグループは、ナガセケムテックス㈱、㈱林原、Prinovaグループなど、グループ内に約50社の製造子会社を有しています。商社と製造の機能を掛け合わせることで、お客様に提供するソリューションの幅を拡げています。
これらの製造資本はNAGASEグループにとって重要な経営資源であり、ACE 2.0における「収益構造の変革」においても、製造業の生産性向上と技術革新による付加価値の拡大を通じて既存事業を強化していくことを掲げています。
また2022年4月には、NAGASEグループ製造業各社の基盤強化に向けて2019年に発足させたグループ製造業連携委員会を深化させ、新たに本社組織として「グループ製造業経営革新室」を設立しました。
ナガセケムテックス㈱


化学で豊かな未来を築く
エレクトロニクスやバイオなど多領域で独創的な技術を持つ、NAGASEグループの中核製造子会社です。同社は合成技術・配合技術・バイオ技術をコアテクノロジーとして、世界初開発の素材や業界シェアNo.1の製品を創出しています。同社はこれからも、世界のお客様の要望に応えられる価値創製企業として、新技術・新製品の開発に挑戦し続けます。
機能樹脂

精密加工材料

機能化学品

生化学品


(写真提供:メタウォーター㈱)
TOPIC/環境負荷低減を目指し、高効率排水処理設備を導入

(写真提供:メタウォーター㈱)
特殊エポキシ化合物の製造過程で生じる廃水の自社内浄化率を向上させるため、産業排水処理向けでは国内最大級の高効率排水処理設備を導入し、2022年秋以降の稼働を予定しています。自社内浄化率を上げることにより産業廃棄物の排出が10%(約400t)減少する見込みで、さらなる環境負荷低減を目指します。
設立:1970年 所在地:大阪府大阪市 売上高:約290億円 従業員数:約590名(2022年3月期)
㈱林原


事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献
NAGASEグループにおけるライフサイエンス分野の中核企業で、食品・パーソナルケア・医薬品・機能性色素などの素材を開発しています。暮らしを豊かにする素材の提供や環境負荷の低減活動を強化し、ステークホルダーの皆様とともに、新たな価値の共創に取り組んでいます。
食品素材

健康食品素材

パーソナルケア素材

医薬品素材

機能性色素


TOPIC/国際的なサミットへの参画

2021年9月の国連食料システムサミット2021、12月の東京栄養サミット2021において、「持続可能な食料システム」に関するコミットメントを表明しました。長く培ってきた酵素利用技術の強みとバイオテクノロジーから生まれた自然由来の素材を活かし、人と地球の健康を支える、安全で持続可能な食の普及を推進します。食料システムへの各種取り組みは、林原Webサイトへ。
設立:1932年 所在地:岡山県岡山市 売上高:約270億円 従業員数:約680名(2022年3月期)
Prinova Group LLC


食品素材のグローバル展開
食品素材販売、配合品製造及び最終製品の受託製造までを手掛けています。原材料の調達、配合とフレーバーに関する研究開発力や、スポーツニュートリション分野での経験とネットワークなどで高い優位性を持っています。北米エリアでの事業拡大、製造・加工機能の強化を通じ、北米や欧州、東南アジア市場を中心に高付加価値サービスの展開を目指しています。
Ingredients

Aromas

Premixes & Solutions

Flavors

Armada


TOPIC/積極的な投資によるビジネスの拡大

2021年10月に甘味料ディストリビューター・The Ingredient House社、12月に製粉・微粉加工受託を手掛けるLakeshore Technologies社をグループに迎えビジネスを拡大しています。また、2022年夏より米国ユタ州にスポーツニュートリションの受託製造工場を新設。製造機能の拡充を目指します。
創業:1978年 所在地:米国イリノイ州 売上高:約1,200億円 従業員数:約1,200名(2021年12月期)
グループ製造業経営革新室
グループ製造業としての新たな価値創出に向けて
NAGASEグループでは、グループ全体での製造業の規模・影響力が増しており、連結業績に占める割合も高まってきています。そこで2022年4月、経営視点で製造業各社の製造能力や生産技術、研究開発、品質管理、エンジニアリング、投資評価等を総合的に俯瞰し、グループ製造業の強化・拡充を図ることを目的としてグループ製造業経営革新室が新設されました。
当室は、グループ製造業の安全・品質・環境等の面での連携強化を目的として2019年に発足したグループ製造業連携委員会を前身としており、さらなる成長のためグループ製造業経営革新室として新たに発足した組織です。
現在はグループ製造業として新たな価値の創出を目指し、グループ製造業における開発から生産・品質保証活動におけるバリューチェーン評価や、共通する重要製造経営指標の把握、また多様な製造プロセスの理解と共通化といった活動からスタートしています。
TOPIC/価値創出に向けたグループ内のディスカッションをリード
グループ製造業経営革新室とステアリングコミッティーを中心に、各社が持つ特徴や機能、また課題の理解を深め、これらをつなげてどのように新たな価値を創出できるかといったことなどについて議論しています。また、「多様な製造プロセス理解と共通化」をテーマに半年間、各社の現場を訪問・調査する取り組みもスタートしています。
社会・関係資本
多様なステークホルダーの皆様との強固な信頼関係こそがNAGASEグループにとっての重要な社会・関係資本といえます。NAGASEグループでは幅広い事業領域でのグローバルな事業展開を行っており、拠点数は32カ国・地域で114社、お取引先企業の数は国内外で約18,000社にのぼります。
自然資本
NAGASEグループが今後もビジネスを持続させていく上で、地球環境が持続可能なものであることは大前提であると考えています。NAGASEグループではこうした自然資本を維持・充実させるべく、NAGASEグループ環境方針のもと、脱炭素社会、循環型社会の実現、汚染防止、生物多様性の保全、水の利用といった環境課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。
統合報告書2022
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